原文入力:2011-02-13午後09:37:14(1567字)
‘コシャリ革命’国際社会に波紋
"アルジェリア・イエメンが次の番" 分析 相次ぐ
独裁政権を支えてきた国家主義 価値動揺
サウジ・ヨルダンなども安心できる状況ではない
チョ・イルジュン記者
ホスニ・ムバラクの30年鉄拳統治を倒したエジプト革命の波紋はどこまで広がるだろうか?
ムバラク政権の崩壊は1989年、東ドイツのベルリンの壁崩壊に匹敵する地殻変動だ。ポーランドのクダンスク造船所から始まった東ヨーロッパの民主化の嵐はベルリンの壁の崩壊で絶頂に達し、東ヨーロッパ全体の変革、さらには東西冷戦構図の解体につながった。先月のチュニジアの‘ジャスミン革命’を始め、北アフリカ アラブ圏に荒々しくまき起こっている民主化デモはエジプトの‘コシャリ革命’で決定的な転換点をむかえた。
11日(現地時間)ムバラクの退陣でエジプト革命が急進展し、次の番はアルジェリアやイエメンになるという展望が出ている。12日、アルジェリアの首都アルジェ都心の各地では数千名の市民がアブデルアジズ ブーテフリカ大統領の退陣を要求するデモを行ったと外信が伝えた。一部はムバラク退陣の便りが1面に載せられた新聞を打ち振り 「ブーテフリカは出て行け」と叫んだ。アルジェリア当局はデモ行進が予定された4km区間だけで3万人余りの警察官を配置し数百人を逮捕し、インターネットも遮断した。
イエメンでもこの日、市民数千名が首都サヌアでアリー アブドラ サレハ大統領の退陣を要求しデモを行った。デモ隊は大統領の写真を破り「ムバラクの次はアリーの番」等のスローガンを叫んだ。数百人はサヌア駐在エジプト大使館側へ向かったが、5000人余りの警察に遮られた。執権国民議会党(GPC)党員と支持者らはテントと食糧まで準備しサヌア中心のタフリール広場を先行獲得した。エジプト市民革命がイエメンで再現されることを阻もうとする試みだ。
イスラム原理主義の色彩が濃厚で、王政体制を維持しているサウジアラビアやヨルダンなども安心できる状況ではない。今、アラブ世界は独裁政権を支えてきた国家主義的価値が動揺しパラダイム転換期を迎えているということだ。
当初、チュニジア、エジプトの反政府デモは物価暴騰と失業にともなう深刻な生活苦から始まった。しかし独裁政権らが強硬鎮圧でデモを押さえ込みながら抵抗の火はより一層広がった。アラブ民衆の蜂起は順次政治的覚醒を越え、米国の利害関係に基づく中東秩序の再編を予告している。<ニューヨーク タイムズ>は11日 「統治者よりテクノロジーに明るく、よく組織された若いデモ参加者たちが米国の支援を受けている既存秩序の公式を書き変え始めた」として「タフリール広場の恍惚とさせる勝利の瞬間がエジプトとアラブ世界(の既成体制)には最も辛い時間の始まり」と評価した。
米国プリンストン大のリチャード フォーク教授(国際法)は最近、アラブ衛星放送<アルジャジーラ>への寄稿で、エジプト革命をはじめとするアラブ圏激変を1989年ベルリンの壁崩壊以後 国際社会の地政学的秩序を再構成する第4の‘変革的事件’として挙げた。1980年代 新自由主義的世界化、2001年9・11テロ、2008年米国発金融危機にともなう世界的景気低迷に続き、北アフリカと中東アラブ圏の市民蜂起は単に憎しみを受ける人物1人を除去することだけでは解決される問題でないということだ。
チョ・イルジュン記者 iljun@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/463200.html 訳J.S