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米‘スマート外交’御帳の裏で同盟国を弄ぶ‘スパイ外交’

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/453380.html

原文入力:2010-12-12午後09:44:39(2231字)
ウィキリークスが暴露した米国の‘二つの顔’
オーストラリア体育長官・独 外務秘書室長も情報部員 役割
国務部 粗をさがして、CIA 弱点とらえて共助…盗聴も
気候協約会議の時はドルで弱小国を懐柔・脅迫

イ・ポニョン記者

 "外交は他の手段を動員する戦争の連続だ。"
昨年1月、当時 駐中米国大使クラーク レントが本国に送った電文から "30余年前に西側を扱うことができた唯一の中国外交官僚" として描写した周恩来前中国総理兼外交部長が外交をこのように定義した。周恩来の言葉を一生懸命に実践したのは他でもない米国外交官たちかもしれない。最近ウィキリークスの外交電文暴露は手段と方法を選ばずに‘汚らしい戦争’を行う米国外交官たちの形態を赤裸々にあらわしている。

■スパイ・粗さがし外交
ドイツ<Frankfurter Allgemeine Zeitung, FAZ>は去る2日、ベルリン駐在米国大使館が "若くて前途有望" としつつ "信じるに足る情報部員" と表現してきた人物が誰かを明らかにした。この新聞が‘ヘルムットM’として描写した情報部員はドイツのギド ペストベルレ外相兼自由民主党総裁の秘書室長だった。彼は連立政府の権力分散交渉と軍縮議論など敏感な情報を米国大使館に定期的に伝え、さらに党内部文書まで渡してきた。スパイに劣らない彼の活動にドイツ政界と言論が大きくざわめいた。

オーストラリアでは長官が米国大使館がいとおしむ情報部員の役割をしていた。現地言論らは米国大使館の秘密電文にしばしば登場する情報部員が、上院議員であり体育部など3部署の長官を兼職するマークビブであることが判明したと去る9日に暴露した。アビブは日常的接触に過ぎないと弁明したが、米国大使館は誰よりも親米的態度を示し、定期的に政府動向を伝えた彼を "保護対象" に指定し普通の関係ではなかったことを暗示している。彼と関連した電文には "外国人閲覧不可" という保護等級も付いていた。

このように各国の主要人物らが隠密に米国の情報部員の役割をしていた事実が明らかになる中で‘スパイ外交’論難も不可避となった。<ニューヨークタイムズ>などが電文を公開し‘××× …’処理をして名前を隠した人々は大部分が重要で敏感な情報を渡したが、これらが誰であり、どんな代価を受け取ったのかが明らかになればその後の暴風は手のほどこしようもなくなると見られる。

今回の暴露事件の初期に全世界で米国務部と中央情報局(CIA)が粗探しと弱点つかみで協業しているという事実も露見した。中央情報局は国務部の外交官たちに国連駐在外交官と南米、東ヨーロッパ、アフリカの指導者らに対する生体情報とクレジットカード情報、通信情報を収集させた。盗聴を目的とせずには電話番号とインターネット暗証番号を探る理由はないので、国連側からも外交官保護と免責を保障した協約違反という抗議が提起された。2005年には中央情報局がイラク侵攻に対する国連駐在外交官たちの動向を把握するために盗聴を試みたという報道が出てきた経緯がある。

■圧力・懐柔外交
米国はデンマーク、コペンハーゲンで昨年12月に開かれた気候変化協約当事国総会で自国経済に負担を負わせる温室ガス縮小義務を大幅に緩和させた協約を引き出した。米国外交の勝利と呼ばれるほどの結果だったが、1年がすぎて公開された外交電文は、米国が露骨な圧迫と懐柔で操作に近い結果を受け取ったという点を示している。

電文らを見れば、米国は窮乏した弱小国らを集中的懐柔対象とした。モルジブなど海水面上昇で国が消える危機に瀕した小さな島国が少しでも多くの財政支援を受けようと温室ガスの大幅縮小案に背を向ける逆説的状況を作ったのだ。当時、米国国務部のジョナサン パーシング気候変化副特使は、ヨーロッパ連合側と「彼らの財政的必要性を勘案する時、群小島嶼国家 連合国家らが最も良い同盟になるだろう」ということで意見の一致を見‘小金’で票を買った。 マリア オテロ国務部次官はアフリカ連合の気候変化交渉をリードしたメルレスゼナヴィ エチオピア総理に「(ひとまず)コペンハーゲン協約に調印してこそ協議を始めることができる」と圧迫を加えもした。

米国国務部と各国駐在大使館らはまた、2008年9月気候変化政府間委員会(IPCC)のあるワーキンググループにイラン科学者が共同代表に指名されるや「委員会事務局予算支援を切るかもしれない」と圧迫し、指名を撤回させたことが明らかになった。
米国外交の不適切な形態はウィキリークスが確保した25万件余り中のわずか1300件余りが公開された状態でも如実にあらわれた。外信はこれに照らして、合法と違法領域を行き来する米国外交官たちの形態ははるかに広範囲で日常的だったものと推定している。さらに暴露電文らには1級秘密に該当する‘トップシークレット’は含まれておらず、2級秘密である‘シークレット’電文の中にも‘配布不可’に分類された電文は除かれている。

イ・ポニョン記者 ebon@hani.co.kr

原文: 訳J.S