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空港鉄道 凍結防止作業 労働者5人、列車に轢かれ死亡

原文入力:2011/12/09 21:32(1792字)
安全責任者 同行なしで仕事をする‘線路 惨劇’
キム・ヨンファン記者、イ・ギョンミ記者


蛍光作業服など用意せず
終電車の時刻前に作業開始
全員、下請け業者の非正規職
遺族、 "無理な作業指示のせい"
空港鉄道 "下請け業者の責任"


←仁川空港鉄道の鉄道補修作業をし列車に轢かれ亡くなった労働者たちの遺族が9日午後、仁川西区(ソグ)の新世界葬儀場に用意された葬儀室で嗚咽している。 仁川/リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr


  ソウル駅と仁川空港間を運行するKORAIL空港鉄道で2007年3月の開通以来、最悪の事故が発生した。列車が深夜に鉄道で作業中の労働者たちを襲い5人が亡くなり1人が負傷した。遺族たちは「作業を急がせるために安全措置を疎かにし無理に仕事をさせた結果」として激昂し、労働団体は「乗客の安全と直結した線路保守業務まで下請け業者に押し付ける不合理な社内下請け構造がもたらした惨事」と批判して出た。

9日0時30分頃、仁川空港鉄道桂陽(ケヤン)駅から黔岩(コマム)駅側に1.2km離れた線路で補修作業をしていた作業班長ペク・インギ(54)氏ら6人が後方から来た列車に轢かれ、ペク氏など5人が亡くなり、イ・某(39)氏は脚骨折など負傷した。彼らから20m余り離れていた2人は災いを免れた。ペク氏らはKORAIL空港鉄道(株)の下請け業者であるKORAILテック(株)所属の線路保守班労働者で、冬季に鉄道に砂利を補充する線路凍結防止作業の最終日勤務中だった。列車はこの日0時にソウル駅を出発した最後電車で、0時27分に桂陽駅に到着し、20~30秒後に出発し次の駅である黔岩駅が終着駅だった。


  KORAIL空港鉄道側は「彼らが最後の電車が通過した以後の0時50分から作業をするよう承認を受けたが、25分早く線路に進入し、管制室に報告せずに桂陽駅付近の線路出入口を通じて鉄道に入ったことが把握された」と明らかにした。しかし警察は5~8日にも列車の運行が終わる前に作業した可能性に重きを置いて捜査中だ。


  KORAILテックの安全責任者は作業現場に同行しなければならないが、事故当時、黔岩駅にいたと調査された。労働者は当時、蛍光色作業服のような保護装具も備えていなかったと知らされた。


  労働者たちは列車運行の見張り役もいない状態で、鉄道のすぐ横の仁川国際空港高速道路を走る車両の騒音とライトなどの影響で列車の接近を知り得なかったと推定されている。列車の速度がすでに時速80kmに到達しており、急制動をかけても200mほどは前進するほかはないと空港鉄道側は説明した。


  労働者8人の内、イ・某(59)氏など3人は永宗島(ヨンジョンド)勤務者だったが、この日の線路補修作業に緊急投入されたことが分かった。


  イ氏の子息(38)は「父親が昼間勤務組なので朝帰宅する筈だったが、会社から連絡を突然受けて桂陽駅に行き延長勤務までして事故に遭った」として、悔しさを爆発させた。遺族たちは「無理に現場作業指示を与えた会社側が過失を隠している」として恨んだ。亡くなったペク氏の甥は「作業指示なしで線路に入る筈がない。なぜ労働者たちだけに責任を問うのか」と抗議した。


  40~50代の家長である犠牲者たちは鉄道設備だけを10~20年ずつしてきたベテラン技術者たちだった。KORAILテックに所属し2年ごとに契約を更新する非正規職で、一ヶ月に145万~190万ウォンの給料を得ていたと伝えられた。


  韓国労働組合総連盟と全国民主労働組合総連盟などは声明を出し「今のような社内下請け構造では元請け(KORAIL空港鉄道)で無理な作業を要求しても拒否できず、危険でも作業を強行せざるを得ない」として「元請け企業の生命軽視が招いた明白な人災」と批判した。KORAIL空港鉄道は「線路作業に対する現場監督と指示など、すべての責任はKORAILテックが受け持っている」と明らかにした。 仁川/キム・ヨンファン、イ・ギョンミ記者 ywkim@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/509519.html 訳J.S