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大法院長が批判自制を要請した日、判事は「FTAは司法主権侵害」との文

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/508148.html

原文入力:2011/12/01 22:54(1643字)

キム・ジョンピル記者


キム・ハヌル仁川地方裁判所部長判事
裁判所内にFTA再協議TF設置要求


ヤン・スンテ大法院長が一日、最近の判事らの社会関係網サービス(SNS)による韓-米自由貿易協定(FTA)批判論議に対し「個人的な所信を裁判官の良心と誤認してはいけない」と言って自制を求めた。 しかし、現職部長判事がこの日裁判所内部の掲示板“コートネット”に「裁判所内に韓-米自由貿易協定再協議のためのタスクフォースチームの構成を提案する」という内容の文を載せ、波紋はなかなか収まりそうにない。

ヤン大法院長はこの日の午前、ソウル市瑞草洞(ソチョドン)の大法院庁舎で開かれた新任裁判官任命式で「裁判官は職務を遂行するとき初めから終りまで“どうすれば国民の信頼を確保することができるか”を絶えず考えなければならない」として「賢いことよりは公正な裁判をするだろうという期待感から信頼が芽生える」と話した。


彼は「裁判官はすべての言動や身の処し方において、均衡感覚と公正性を疑われるような行為をしてはいけない」として「普遍妥当な良心に従わない、主観的で個人的な意地に基づいた裁判に承服する人はいない」と強調した。 彼は「裁判官の生活は警戒と節制の日々だ」として「自身の言動やしようと思うことが裁判官の清廉性を損傷しないか絶えず振り返り、むやみに行動する自分自身を戒めなければならない」と力説した。


ヤン大法院長のこの発言にもかかわらず、現職部長判事がこの日「韓-米FTAの不平等条約に対して裁判所が検討し意見を出すべきだ」という趣旨の文を書いた。 単純な意見陳述の次元を越えて、大法院に対し、行政府と立法府が処理した事案に対応することを注文したのだ。


キム・ハヌル(43・司法研修院22期) 仁川(インチョン)地方裁判所部長判事は「(提案) 韓-米FTA再協議のためのタスクフォースチーム設置を大法院長に請願するために、判事の方々の同意を求めます」という題の文で「韓-米FTAは色々な点で不平等条約である可能性があり、司法主権を侵害する条約である」として「国民から司法権を委任され、こうした条約を含め法律の最終的解釈権限を有する裁判所がガイドラインを提示するなど、今からでも自らの役割を果たすべきだ」と提案理由を説明した。


彼は投資家-国家訴訟制度(ISD)等、韓-米FTAの不当性を5項目に分けて批判した後「TFチームの研究課題は、韓-米FTAに不公正要素はないのか、あるならばどんな方式で正さなければならないのか、ISD条項は妥当なものか、などになるだろう」と明らかにした。 彼は「裁判所でTFチームを構成して研究結果を発表するならば、結果がどのように出ようと私も一切異議なしで承服する」とした。


彼は12月ひと月の間にTFチーム構成に同意する判事が100人を越えたら、韓-米FTA再協議のためのTFチームを構成してほしいという請願文を作成してヤン大法院長に提出すると明らかにした。 この日の午後6時頃、この文に同意の書き込みをした判事は100人を越えた。 しかし一部には「裁判所は事件があってはじめて法解釈をする所なのに、事件がない状態で法解釈を先にすることになれば、憲法に決められた“三権分立”を越える危険なことになる可能性がある」という慎重論を書き込む判事もいた。


大法院関係者は「再協議に必要な研究を行なうといっても司法府が再協議の主体になる訳には行かないが、請願書が実際に提出されれば適切性を検討することになるだろう」と話した。


キム・ジョンピル記者fermata@hani.co.kr


原文: 訳A.K