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"‘自爆通帳’に戦々恐々、私たちも99%"

原文入力:2011/10/25 22:33(2146字)
チョン・ヒョクチュン記者


若い銀行職員らの‘稲妻トーク’


‘貪欲な金融圏’非難の中で
平職員ら‘過当競争’心痛
実績作りのために自分の金で通帳開設
"経営陣が窓口で仕事をやってみろ"


国内外で金融圏を非難する声が続いている。1%と99%に象徴される社会的不平等の中心に金融圏があるという批判だ。金融圏で仕事をするこの時代の銀行員はどんな思いでいるだろうか?

去る24日夕7時30分、ソウル、麻浦(マポ)のある中華料理店で20代後半~30代の国民銀行職員8人が‘稲妻’集いを開いた。普段自分の考えを表に出さない銀行員たちだが、この日だけは胸に抱いている話を虚心坦壊に語った。身分保護のために名前は仮名にした。


イ・ジソプ係長が先ず暗示した。「金融圏の年俸が‘上位1%’に入るかどうかは分からないが、銀行員の大部分は自身を‘99%’だと考えています。無限競争に追い立てられた99%の普通の人ですよ。」 キム・チョルジュ係長が話をつなげた。「学校の後輩が国民銀行の最終面接を控えて‘どのように面接すれば良いか’と電話がきましたよ。後輩に‘どうしても銀行に行かなければならないのか。他のところがあればそちらへ行く方が良いだろう’と話しました。バンカー(銀行員)は何がバンカーですか。 バンカーではなくシュアランスだけが認められる銀行員なのに…"


対話は銀行の過当競争に向かった。彼らは全員‘自爆通帳’(営業目標達成のために銀行職員が自分のお金で納入する通帳をいう。別名‘アルカイダ’通帳とも呼ばれる)に心痛を感じていた。彼らは取引規模が大きくない顧客の取り引きを増やし通帳残高を30万ウォン以上にする‘活動顧客誘致キャンペーン’を特に苦しいと言った。


既得権‘モラルハザード’に一針
非正規職差別問題も提起


 "最高経営陣の成果欲のために家計負債を増やしただけではないですか」キム・ミヒ係長は「3~4年ぶりに再び支店で勤めることになりました。ところで雰囲気が以前とははっきり違っていました。‘4大天皇’(オ・ユンデ KB金融ホールディング会長、キム・スンユ ハナ金融ホールディング会長、イ・パルソン ウリ金融ホールディング会社会長、カン・マンス産銀金融ホールディング会長)時代になりそうなったようです。ある日にはシャッターをおろすやいなや支店長が職員たちに1人当り1つずつ通帳を作ってから退勤しろと指示しました。職員がみな‘打ち込みましたよ’(自分の金で通帳を作ること)と言って苦々しい表情になった。


キム・ミンヒョク係長は 「実績キャンペーンが終わる日はぞっとしましたよ。 キャンペーン最終日、職員4人が積立通帳400ヶを作らなければならなかったんですよ。その日の夜12時過ぎまで新規通帳の整理をしました」として苦労を打ち明けた。キム係長も一言添えた。「会長が‘新韓銀行支店は夜11時まで灯がついているが、国民銀行はなぜ灯が消えているのか’という話をしたそうだよ。その話が出た後から退勤時間が遅くなりました。私たちは仕事をする機械ではないでしょ。一度窓口で直接仕事をしてみろと言いたいです。」


政界に対する批判も出てきた。チェ・ジンソン次長は特に4大天皇問題を皮肉った。「MBは金融にはこれと言った関心がないようです。 それで金融の非専門家である自身の友人を金融持株の会長に座らせるんでしょう。 問題は金融持株会社の会長が監督機関より力がさらに強いということにあります。 過当競争はするなという監督機関の言うことを聞かないんです。」


銀行員たちは既得権層のモラルハザードにも厳しい忠告をした。 キム・ソンシク課長は「儲かっている税理士や医師の方々に貸出業務を遂行する時があります。 ところが、その方が申告する年間所得が3000万ウォンにならない場合が多いのです。医師や弁護士のような社会指導層が中産層の年俸にも至らない金額で申告するんです。国税庁は何をしているのか理解に苦しみます」と話した。


チョ・ミジン係長は非正規職の哀歓を語った。「窓口で正規職と非正規職が行う業務にはほとんど差がありません。ところが銀行は正規職と非正規職に分けて採用します。正規職と非正規職が事務室で親しく過ごしているが、月給や成果給が出てくる時には互いに話をしません。月給で大きな違いが生じ成果給の場合には非正規職が全く受け取れない場合もあるからです。」


キム・ソンシク課長は金融圏が貪欲な姿といて映ったのが結局、経営陣の問題だと話した。「最高経営陣は彼らの在職期間中に最大収益を上げるために職員を苛酷にこき使います。短期成果を高めるためにです。 そのような過当競争の結果はどうなりますか? 家計負債を増やしただけではないですか?」チャンポンの汁が冷めたが、おしゃべりはとどまるところを知らなかった。 チョン・ヒョクチュン記者 june@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/502393.html 訳J.S