原文入力:2011/10/15 10:31(1417字)
キム・ミンギョン記者
中学校‘歴史’執筆基準草案に‘民主主義’の代わりに挿入
"学界意見 握りつぶして反独裁民主化運動叙述 弱化"
研究陣に現代史学会イ・ミョンヒ教授 参加‘偏向’論難
教育科学技術部が‘2009改正歴史教育課程’を告示し‘民主主義’を抜いた代わりに入れた‘自由民主主義’が、中学校<歴史>教科書執筆基準草案にも含まれた。 歴史学界は 「独裁政権の肯定的な側面を浮き彫りにする教科書が作られざるを得なくなった」として強く反発した。執筆基準は教科書に必ず盛り込まなければならない内容等を記述するもので、教科書を作る際の‘指針’のような役割をする。
14日<ハンギョレ>が入手した‘歴史教科書執筆基準開発共同研究陣’の‘中学校歴史執筆基準草案’によれば、現代史の部分に「4・19革命以後、現在に至るまで自由民主主義の発展過程を政治変動と民主化運動、憲法上の体制変化とその特徴など重要な流れを中心に説明する」という内容が含まれた。
共同研究陣は国史編纂委員会が委嘱した18人の研究委員で構成されており、特に韓国史分科には歴史教育課程の告示過程で‘民主主義’を‘自由民主主義’に変えるのに大きな影響を及ぼした韓国現代史学会の教科書委員長であるイ・ミョンヒ公州(コンジュ)大教授(歴史教育)が含まれている。
草案にはまた「自由民主主義が試練を体験したりもしたがそれを克服し… (中略) …歴代政府の功罪を叙述する時バランスが取って扱うよう留意する」と記されている。
これに対してイ・シンチョル成均館(ソンギュングァン)大 東アジア歴史研究所首席研究員は 「学界と教育課程開発参加者らの間でも論難になっている‘自由民主主義’という用語を執筆基準にまで入れたのは、学界の意見を無視し一方的に教育課程改編を押しつけるということ」とし「‘自由民主主義’は‘民主主義’に再び戻さなければならない」と指摘した。
キム・ソンボ延世(ヨンセ)大教授(韓国現代史)は「‘自由民主主義’という言葉が入り‘独裁’という言葉が無くなり、歴代政府の功罪をバランスを取って叙述するようにすることにより反独裁民主化運動の部分が全体的に弱まった」として「‘自由民主主義の試練’という部分も独裁による試練なのか、北韓・左翼勢力によったものかが曖昧だ」と批判した。
この他に草案には「大韓民国が国連から韓半島の唯一の合法政府として承認を受けた事実に留意する」とされており、韓国、北韓が同時に国連に加入した現実と衝突する憂慮があるという指摘も出ている。
これに先立って教科部は去る8月‘2009改正教育課程’の小・中・高校歴史教育課程各論を告示しながら、ニューライト指向である韓国現代史学会の建議を受け入れ、歴史教育課程開発政策委員会・歴史教育課程開発推進委員会・社会科教育課程審議委員会などを経て確定した‘民主主義’を‘自由民主主義’に一方的に変え、学界の反発をかった。
先月19日には歴史教育課程開発推進委員20人の内 9人が辞退する事態が起きた。
キム・ミンギョン記者 salmat@hani.co.kr
原文: 訳J.S