原文入力:2011/10/06 23:05(1350字)
クォン・ヒョクチョル記者
ソウル市、事業報告書から調査結果を削除した疑い
ソウル市が漢江(ハンガン)を京仁運河(キョンインアラベッキル,西海~金浦(キンポ)間)と連結する西海航路事業推進の妥当性を主張する根拠としてかかげている「西海舟運事業基本設計報告書」が、遊覧船利用客需要と遊覧船運航時間など基礎的事実をわい曲・隠蔽したという指摘が出た。これまで西海航路遊覧船の運行時間が長く航空便など他の旅行商品に比べて競争力がないという批判は多く出ていたが、基本設計報告書に対する分析が本格的に出されたのはこれが初めてだ。
物流運送研究者のイム・ソンミン韓神(ハンシン)大国際経済学科教授は6日、ソウル市議会がソウル市中区(チュング)西小門洞(ソソムンドン)の市議会議員会館で開いた「漢江ルネサンス公聴会」で「ソウル市が漢江~西海遊覧船利用客需要予測などがねつ造された報告書に基づき事業性があると主張している」と批判した。
報告書は西海航路遊覧船を利用する潜在需要を一日平均3761人と予測した。 これに対してイム教授は「需要予測調査対象者の83%が観光料金が一日1人当り5万ウォンを越えれば遊覧船を利用しないという意思を明らかにしたが、この内容は報告書からは抜けており、ソウル市に情報公開請求をして遅ればせながら把握した」として「報告書には事業妥当性に有利なことだけを載せ 不利なものは隠している」と主張した。 西海航路遊覧船優先交渉対象者であるソウル国際クルーズが策定した6000t級遊覧船3泊4日の料金(2人1室基準)は、一日28万ウォンを越える。
また報告書は漢江~西海船舶運航時間を1時間30分と想定しソウル港の旅客需要分担率を27.9%と予測したが、船舶運航時間を1時間30分と仮定した根拠は明らかにしなかった。 これに対してイム教授は「実際に船を運航する海運業者や導船士などに確認したところ、漢江~西海船舶運航時間は5時間から5時間半くらいということだった」として「龍山(ヨンサン)から地下鉄に乗れば仁川(インチョン)まで1時間あれば行くのに、龍山から遊覧船に乗ったら索漠とした漢江を5時間以上も航海しなければならない」と指摘した。
この他に報告書は運航区間別遊覧船の速度を最大38ノットまで高めているが、運行中の6000t級国内遊覧船の最高速度は15ノット程度だ。
イム教授は実際の遊覧船の速度と運航距離、所用時間を代入して分析すれば、報告書が事例として言及したソウル~上海5泊6日クルーズ日程は観光する時間が出てこないと主張した。5泊6日(5.5日 132時間)の日程の中で、航海時間が103時間、残り29時間の中でバス移動10時間などを除けば9時間残る。 5泊6日のうち9時間以内で観光し食事も摂らなければならないので、観光自体が不可能だというのがイム教授の主張だ。
クォン・ヒョクチョル記者 nura@hani.co.kr
原文: 訳A.K