原文入力:2011/09/30 20:38(1440字)
執行猶予宣告には歯ぎしりした"
ノ・ヒョンウン記者
映画‘ルツボ’波紋拡散
‘ルツボ’検事 検察掲示板へ投稿
ホームページに書いた日記を載せる
"社会の暗い自画像 反省の起爆剤になれば"
←映画トガニ(るつぼ)
映画<ルツボ>で、加害者らを処罰しなければならない主任検査は反対に事件を縮小した代価として大型ローファームに‘スカウト’されると描かれている。問題の検事は被告人である加害者に決定的に不利な証拠である性暴行場面の録画映像を裁判所に提出せず、結果的に執行猶予が宣告されるよう誘導したと出てくる。
それでは現実の主任検事は映画が呼び起こした思いもかけない論難にどんな心境でいるのだろうか?
法務部法務審議官室イム・ウンジョン(37・女・司法研修院30期)検事は30日、検察内部掲示板‘e-Pros’に‘光州イナ院…ルツボ…’という題名の文を載せた。29日に映画<ルツボ>を見たという彼女は2007年当時‘光州イナ院事件’裁判の時に検事として参加した。イム検事は自身の‘サイワールド ミニホームページ’に当時書き留めた日記を転載し、控訴審で加害者が執行猶予判決を受けたという知らせに「歯ぎしりした」と打ち明けた。
彼女が掲示板に載せた2007年3月12日の日記は、その日開かれた裁判で聴覚障害被害者たちを証人尋問した後に所感を書いたものだ。彼女は「法廷をいっぱいに埋めた聾唖者たちは手話で世の中に向かって声を立てずに泣き叫んだ」として「その怒りに、その絶望に、身の毛の一本一本が逆立つ感じ」と記録した。「涙をこらえて」彼らの手ぶりと身振りを見守らなければならなかったイム検事は「幼い頃から踏みにじられ続けてもはや慣れてしまった子供たち、怒りに歯ぎしりする子供たち、彼らの代わりに世の中に向かって泣き叫ぶことが(検事である)私がしなければならないこと」と誓っている。
1年半程後の2009年9月20日にも彼女は同じ問題意識を日記に書いた。原作小説の<ルツボ>を読んで書いた文だ。「私がよく知っている子供たちの話であることを知っているので読む意欲が出なかった」彼女は結局、以前のその子供たちを思い出して「引き込まれるように」本を読む。「1審では実刑が宣告されたが、2審で(加害者が)執行猶予で解放されたというニュースを聞いた」という彼女は、「性暴行に対する寛大な宣告刑量をよくわかっている私としては被害者たちのようにあきれることはなかったが、歯ぎしりする思いだ」と書いた。
イム検事が昔の日記を再び明らかにすることになったのは「昨日<ルツボ>を見てその時の記憶が思い出され眠れなかった」ためだ。夜中に悶々として腫れぼったい顔で出勤したという彼女は「被害者としては納得できない裁判結果に、警察・検察・弁護士・裁判所の癒着があるのだと誤解しても一面では当然だ」として「心に痛みを感じる部分もあるが、この映画が私たちの社会の暗い自画像を反省する起爆剤になるならば、また別のルツボを防げるならば甘受できる」とした。彼女はこの日記が「公判関与検事の釈明資料」と明らかにした。
ノ・ヒョンウン記者 goloke@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/498797.html 訳J.S