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ハン・サンリュル前国税庁長 全て‘無罪’…検察 "納得しがたい判決"

原文入力:2011/09/16 22:13(1536字)
キム・テギュ記者


裁判所 "絵画ロビー・諮問料授受、わいろと判断する証拠不足"
絵画伝達時点 特定できず判決に影響…検察、控訴表明


←ハン・サンリュル(58)前国税庁長


人事請託のため‘絵画ロビー’を行い、アルコール業者から諮問料とし数千万ウォンを受け取った容疑(わいろ)で起訴されたハン・サンリュル(58)前国税庁長に16日無罪が宣告された。ハン前庁長は権力型不正が明らかにならず個人不正だけで起訴されたが、ソウル中央地裁刑事合議21部(裁判長 イ・ウォンボム)はそれさえも "犯罪の証明が不足する" としてハン前庁長の手をあげた。

検察が起訴したハン前庁長のわいろ供与容疑は、彼が国税庁次長だった2007年5月 "国税庁長競争者を辞退させてくれてありがたい、今後もずっと助けて欲しい" という趣旨でチョン・グンピョ当時国税庁長に故チェ・ウクキョン画伯の絵<鶴洞(ハットン)村>を贈ったということだ。2009年3月、米国に出国した後 自身の側近であるク・某国税庁消費税課長をしてアルコール業者4ヶ所から諮問料名目で6900万ウォンを受け取らせたというわいろ授受疑惑も公訴事実に含まれた。


絵画ロビー疑惑に無罪がくだされたのは<鶴洞村>絵画の伝達時点を特定できなかったことが‘禍根’となった。当初、絵画ロビー容疑はチョン前庁長の夫人イ・某氏の言論インタビューから始まった。イ氏は当時「2007年初め、国税庁長候補であったキム氏を切ってくれという請託と共にハン前庁長から<鶴洞村>を贈られた。ハン前庁長はキム氏辞退のためのシナリオまで作った」と主張した。しかし起訴段階では<鶴洞村>の伝達時点が2007年5月に変わった。イ氏が検察調査で陳述を変えたためだ。ハン前庁長がソミギャラリーで絵を買い受け取ったという引き受け証の作成日が2007年5月7日になっている点も影響を与えた。


裁判所は、ハン前庁長の競争相手であったキム氏の辞職が絵画が渡される以前になされたという点を挙げ「(キム氏に対する)人事措置の答礼として高価な贈り物を与えようとしたということは説得力がないように見える」と判断した。また、ハン前庁長が<鶴洞村>を買う時、現金500万ウォンを使ったのも「決済方式が多少異例的とは言え…ハン前庁長がわいろ目的で絵画を購入したものと推論するには不足する」としてハン前庁長の釈明を受け入れた。


アルコール業者からの諮問料をわいろと見た部分はハン前庁長の‘共謀者’として名指しされたク・某課長を直接調査することが出来ない部分が‘弱さ’として作用した。検察はアルコール生産量を決める権限を持つク課長がアルコール業者に圧力を加え逃避中のハン前庁長に諮問料名目の現金を提供させたと判断した。しかしク課長が昨年6月 脳出血で倒れた後、手術を受け療養中であるため検察は彼をまともに調査できなかった。 検察は「ク課長の要請でハン前庁長と諮問契約を結んだ」というアルコール業者代表らの陳述を提示したが、裁判所はク課長に対する検察の直接調査や法廷証言がなく、ハン前庁長との共謀関係を確信できないと判断した。


この日無罪宣告を受けたハン前庁長は法廷を出ながら「言うことはない。今でも恥ずかしい」と話し、検察は「納得しがたい判決」とし控訴する意向を明らかにした。 キム・テギュ記者 dokbul@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/496552.html 訳J.S