原文入力:2011/07/12 08:29(1515字)
パク・テウ記者
建物設計士・風工学の専門家 提起
設計士 風洞実験 提案
建築主 "費用負担" 拒絶
←去る5日、多くの人が待避する騒動をおこした建物の揺れの原因が‘風による共振現象’という主張が提起された。ソウル、広津区、九宜洞のテクノマート建物周辺が11日夕、梅雨の雨が上がった後、夕焼けに赤く染まっている。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr
ソウル、広津区、九宜洞のテクノマートの揺れは‘風の振動による共振現象’という主張が建物の最初の構造設計者と‘風工学’専門家により提起された。また、風による振動を憂慮した設計士が1995年、風の影響力を評価する風洞実験を提案したが建築主が費用問題を理由に断ったという事実も11日明らかになった。
風振動は風が吹く時に発生する振動を意味する。風の振動数と建物の固有振動数が一致し振動が持つエネルギーが増幅される現象を共振現象というが、このように増幅されたエネルギーは建物内部の人々に加速度として伝えられ、めまいや嘔吐感などの乗物酔い現象を起こす。
テクノマート建物の最初の設計に参加したある構造設計士は韓国施設安全公団の点検結果に深い疑問を示し、共振現象の可能性を提起した。彼は「建物が高くなるほど多様な形態の風が吹くことになり、風が建物の隅に当たり曲がって発生するうず巻きのような渦流(vortex)が生じることがある」 として 「風の振動が建物の固有振動と一致して共振現象を起こしたのだろう」 と推定した。また、彼は「映画館(11階)は振動が感じられた事務棟20~27階と構造上 分離しており、フィットネスセンター(12階)で振動が起きたとすれば下の階でも振動を感じる筈だ」と話した。 こういう主張は「テクノマート内の映画館とフィットネスセンターの振動にともなう共振現象」と推定した韓国施設安全公団の点検結果と異なるものだ。
国内風工学専門家であるキム・ヨンムン全北大教授(建築学)も「テクノマートの場合、細長いうえに鉄骨構造で建てられており軽いだけに振動して元の位置に戻る振動の周波数が低い」として「低い周波数の建物が低い周波数の風に当たり共振現象を起こした可能性が高い」と明らかにした。キム教授は 「人々が10~15分間にわたり振動と共に乗物酔い症状を感じたというが、こういう振動は長時間にわたり吹いた風の影響としか見られない」と付け加えた。 映画館とフィットネスセンターが振動を誘発したという主張に対しても「(映画館・フィットネスセンターの)機械が作り出す振動は回転が速いので周波数が高く建物の低い固有周波数と共振現象を起こす可能性は小さい」とキム教授は反論した。
一方、プライム産業が95年設計当時、風洞実験を実施しようという設計士の提案を断っていたことが明らかになった。 建物の最終構造設計を担当した設計士は「建物の構造特性上、風の影響を多く受けるため風洞実験を提案したが、建築主のプライム産業側が費用問題を理由に断った」として「当時、実験費用は1億ウォン程度だったが、実験結果により補強する構造物などの費用のために反対したと理解している」と伝えた。
これに対してプライム開発関係者は「正確な事実関係を把握中」と伝えた。
パク・テウ、パク・ヒョンジョン記者 ehot@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/486922.html 訳J.S