原文入力:2011/06/30 23:11(1752字)
イ・ムニョン記者
市民団体・法律家が語る捜査権の方向
大統領令で決めてこそ民意反映
検察-警察 互いに牽制してこそ人権進展
検事長らの辞表には否定的反応
←30日午前、ソウル江南区、三成洞のコエックスで開かれた第4回世界検察総長会議開幕式に先立ち、キム・ジュンギュ検察総長(右側)が各国の検察総長を紹介する間、李明博大統領が水を飲んでいる。イ大統領はキム総長に「国民の立場で考える成熟した姿勢を見せることを望む」と話した。 大統領府カメラマン団
国会法制司法委員会で修正された検察・警察捜査権調停案(刑事訴訟法改正案)が30日 国会本会議を通過した中で、平検事の一部も辞意を表明するなど検察の反発が続いている。去る20日、政府合意案が出てきた際に警察が集団行動に出たのをはじめとして検察・警察はこれまでも捜査権議論の峠を迎える度に反発し、集団的抗議を表出した。検察・警察のこういう対立と葛藤を‘機関間の利害争い’でなく‘人権’の視角で眺めればどんな評価が出てくるだろうか? <ハンギョレ>が30日、人権・市民社会団体活動家と法律家および学者たちの意見を聞いた。
回答者の大部分は‘検事の(捜査)指揮に関する具体的事項’を法務部令ではなく大統領令で定めるようにした国会決定に同意した。イ・ソクテ弁護士(民主社会のための弁護士会前会長)は 「大統領令で定めることにより検察・警察が協議し国民の意思を反映できるようになった」として「検察が法務部令に固執するのは細部議論過程で検察が全権を行使するという意であるので行き過ぎたこと」と評価した。ハ・テフン高麗大教授(法学)は 「ようやく合意した政府案を国会で一方的に変えたことには問題がある」として‘手続き上の瑕疵’を指摘しながらも「大統領令で定めることだ妥当」という意見を示した。
辞表まで提出して反発している検察の激しい反応には皆が否定的だった。ハ・テフン教授は「捜査の補助者であった警察が検察と同等な位置で捜査指揮に関する具体的事項を議論することになることに対し、検察が気分を悪くしているようだ」とし「検察が組織の利益と関連した問題に対してだけ '職’を賭けることには国民が納得できないだろう」と話した。パク・イネ女性の電話理事も 「(最高検察庁)検事長らの一括辞意表明などは検察の既得権を手放さないという意味と見ざるをえない」 とした。
捜査権問題を巡る検察・警察の対立に関しては‘茶碗の中の争い’と見てすべてを非難するのではなく‘検察権力牽制’のための生産的な議論として発展させる努力が必要だという見解が多かった。アン・ギョンファン ソウル大教授(法学)は「茶碗の中の争いが重要なのではなく、その結果が国民にどれくらい意味があるかがカギ」とし「警察は報道機関と国民の監視が相対的にやさしい反面、検察の密室捜査は監視さえ難しい。警察が捜査権を持ち牽制するべきだ」と強調した。パク・ネグン‘人権財団 サラム’常任理事は「‘茶碗の中での相互奪い合い’の側面があり、検察・警察どちらの手も上げたくはない」としつつも「捜査権を誰が持つことかを巡り争うのではなく、国民の人権のための捜査はどうしなければならないかについて論争しなければならない」と注文した。
回答者が‘国民人権向上’の観点から下した共通した‘処方’は‘検察権力の分散’だった。オ・ワンホ韓国人権行動事務総長は「検察も警察の捜査を受けることが可能であってこそ国民の人権侵害を減らすことができる」と話した。パク・ギョンソ初代国連人権大使も「検察と警察が互いに牽制できる状態まで進んでこそ人権的な進展が可能だ」とし、キム・ソンス現民主弁護士会会長は「警察も信じにくいことは同じだが、権力分散という次元で警察に捜査権を与えることは避けられない」 と答えた。
イ・ムニョン、ソンチェ・ギョンファ、イ・スンジュン、パク・テウ記者 moon0@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/485273.html 訳J.S