原文入力:2011/06/26 22:37(2957字)
パク・ヨンニュル記者
他の橋は大丈夫か
浚渫区間ではないところ・川の支流も事故の可能性 排除できず
汎対委 "被害最小化のために不必要な浚渫止めるべき"
←4大河川事業阻止大邱・慶北・釜山・慶南本部活動家が26日昼、慶北、漆谷郡、倭館邑、洛東江辺の倭館鉄橋(護国の橋)崩壊現場で記者会見を行い「4大河川事業を直ちに中断せよ」というスローガンを叫んでいる。 漆谷/イ・ジョンア記者 leej@hani.co.kr
慶北、漆谷の倭館鉄橋崩壊事故が4大河川工事現場の過度な浚渫によるものであることが明らかになり、類似の危険に露出した他の橋梁ももはや安全とは言い切れなくなった。特に洛東江にある橋梁の内、相当数が橋脚補強工事をせずには崩壊憂慮が高いと指摘されている。
26日現在、4大河川工事現場で倭館鉄橋と同様の状況に置かれた橋梁としては洛東江流域の慶北高霊の牛谷橋と尚州の敬天橋が挙げられる。この日、洛東江守り釜山市民運動本部は記者会見を行い、これらの橋が倭館鉄橋と同種の危険に直面していると警告した。牛谷橋は中部内陸高速道路の補助幹線道路として洛東江にかかっている橋だ。4大河川事業前の牛谷橋に対する国土海洋部の環境影響評価書には、4~8番橋脚が保護石積みを設置しなければならない対象として明示されている。しかし去る3日、釜山市民運動本部が撮影した航空写真によれば水中にある8番橋脚には保護石積みがなされていないことが確認できる。釜山市民運動本部は「洛東江事業34工区に含まれた尚州敬天橋も保護石積みを設置していない6番橋脚が水に沈んでいることが確認され崩壊の危険に露出している」と指摘した。
浚渫区間ではないところに設置された橋脚も周辺で浚渫が進行される場合、本流の水深は平衡を合わせるために、川岸が大規模に侵食されるはずであり危険だというのが専門家たちの指摘だ。イ・ジュンギョン生命網政策室長は 「洪水期には川岸にも洪水エネルギーが伝えられるため橋梁保護石積みをしていない地点で崩壊危険が高い」として「倭館鉄橋崩壊を他山の石として4大河川事業を中断し、深く浚渫した区間だけでなく、浅くした区間にも橋梁保護石積み工事をしなければならない」と話した。
さらに深刻な問題は川の本流だけでなく支流の各地で逆行侵食による崩壊事故も排除できないという点だ。逆行侵食とは、下流で大規模浚渫が進行され川底がかく乱され落差ができる場合、河川が平衡状態を維持しようとして下流から上流方向へ侵食が進行される現象をいう。国土部が民主党キム・ジンエ議員室に提出した資料を見れば、支流に設置した川床保護石積みの相当数が先月と今月の雨で流失した。昨年9月21日、南漢江と支流の合流部に位置する京畿道、驪州新晋橋の崩壊は逆行侵食による事故の代表的な事例だ。
←消防防災庁中央災害安全対策本部関係者たちが26日午後、ソウル、世宗路の政府総合庁舎内対策本部状況室でCCTVモニター画面を見て全国主要河川の橋の状況を点検している。 カン・ジェフン先任記者 khan@hani.co.kr
梅雨前の先日の雨で崩れた尚州堰堤防300m余りが今回の梅雨の雨で再び流失したことも、過度に川底を浚渫した結果、堤防の下部がえぐられ崩落した可能性が高い。パク・チャングン関東大教授(土木工学)は「4大河川事業により堤防工事を低水護岸(水と岸の間の空間)にしたが、浚渫工事の影響で安定化されず大雨が降れば崩れて90%以上が押し流される可能性がある」と指摘した。
特に水流が速くなる堰の直下流が危険だ。堰周辺に莫大な費用をかけ造形工事を進めている各種公園型親水空間も‘元の木阿弥’になりかねない。これまでも4大河川各地で梅雨期以前から臨時橋梁が崩れたのをはじめ、工事用臨時堰が崩壊、堤防流失など大小の事故が絶えなかったが、政府が4大河川管理に集中しているため洪水被害は地方河川でより大きくなるだろうという憂慮も出ている。
4大河川事業反対汎国民対策委員会は「4大河川事業は河川を奇形にしたので、洪水被害を防止する妙案はない」として「それでも被害を最小化するには洪水時の可動堰の作動禁止、不必要な浚渫および河川空間内公園事業を止めるべきで、これ以上無理に工事を推進してはならない」と主張した。 パク・ヨンニュル記者 ylpak@hani.co.kr
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倭館鉄橋 どんな橋?
100年の歴史を持つ近代鉄橋の秀作
6・25時、洛東江戦闘の決戦場として有名
←崩壊前の去る3日に航空撮影した倭館鉄橋。手前から人道橋の倭館鉄橋、国道が通る倭館橋、京釜線鉄道が通る洛東江橋。洛東江守り釜山市民運動本部提供
100年余りを経過したこの橋は韓国版‘クヮイ河の橋’とも呼ばれる。去る25日未明、梅雨の雨で増水した川の流れで崩れた慶北、漆谷郡の倭館鉄橋は国内で指折りの近代土木遺産の一つだ。朝鮮戦争当時、韓・米連合軍と北韓軍が対峙した洛東江戦闘の決戦場としても有名だ。
長さ469mの倭館鉄橋はソウル漢江鉄橋、忠南公州の錦江鉄橋、慶南昌寧の南旨鉄橋などと共に国内の代表的な近代式鉄橋だ。三角形トーラス鉄骨が連なるコンクリート橋で、橋脚には花こう岩を使い、どことなく奥ゆかしい外観で地面に接する部分はアーチ型装飾と赤レンガで処理された。南旨鉄橋とともに造形美が引き立って見える近代鉄橋の秀作であり2008年に登録文化財406号に指定された。
当初、橋は日帝が京釜線を敷設した1905年に単線鉄道橋梁として作られた。1941年京釜線複線化で横に新しい鉄橋が作られると人と車両が通行する人道橋に変貌した。1950年の韓国戦争勃発により倭館鉄橋は断絶した。北韓軍が洛東江まで下ってくるや米軍は‘ウォーカーライン’と命名した洛東江防御線を宣言し、50年8月3日未明に橋を爆破した。これを前後して夜に橋付近の川を渡ろうとする北韓軍と韓・米連合軍の間に血なまぐさい戦闘が度重なった。50年8月16日、倭館一帯への米空軍B-29のじゅうたん爆撃により北韓軍が事実上壊滅する戦況もこの橋は見守った。
鉄橋は1953年に木橋をつなぎ臨時復元されたが、40年近く正式復元がなされないまま崩落する境遇を免れなかった。1993年地方自治体の補修工事で‘護国の橋’という別称の下に復元された後、護国観光地となり現在に至る。アン・チャンモ京畿大教授(建築史)は「100年余りの歴史を大切に保管した土木構造物が無理な4大河川工事の影響で崩れた聞き複雑な思いだ」として「4大河川工事現場の文化遺産に対する関心を喚起させる契機としなければならない」と話した。 ノ・ヒョンソク記者 nuge@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/484550.html 訳J.S