原文入力:2011/06/19 22:05(2593字)
イ・スニョク記者、ユン・ヨンミ記者
監査院のソウル市建設工事実態分析
西海(ソヘ)航路、水上バス需要 55~77% 過剰計算
ウォーターフロントも89億の浪費…監査院「11名 懲戒を」
オ・セフン「再審を請求…国費導入してでも推進」
←“楊花大橋 拡張工事 中断せよ”=ソウル市議会民主党議員が去る9日ソウル麻浦区(マポグ)楊花(ヤンファ)大橋北端で「橋脚拡張工事の即時中断」を要求している。楊花大橋の橋脚拡張工事はソウル市の漢江(ハンガン)ルネサンス舟運水路事業の一つで、監査院は「漢江ルネサンス事業は経済性がない」という監査結果を19日発表した。 ニューシス
オ・セフン ソウル市長が力点を置いて進めてきた“漢江ルネサンス事業”の核心である舟運事業(いわゆる“西海(ソヘ)航路”)の経済的妥当性が不十分であるにも拘らず、ソウル市が法令違反までして事業を強行した事実が、19日監査院の監査の結果明らかになった。ソウル市が汝矣島(ヨイド)・龍山(ヨンサン)旅客ターミナル建設および 盤浦(バンポ)地区人工島(三光ふわふわ島)造成事業をする際に民間業者に過度の特典を与えた事実も確認された。 監査院はソウル市に関連公務員4人の懲戒を要求した。しかしオ市長は「ソウル市議会が反対するなら大統領と談判してでも国費を引っ張ってくる」と言って、西海航路事業強行の意思を固守している
監査院が19日に出した「ソウル市建設工事執行実態」の監査結果によれば、ソウル市は漢江(ハンガン)の“金浦(キンポ)~蚕室(チャムシル)区間”に水上バスを運行する舟運事業を推進する中で、首都圏の交通量を水増しするなどの方式で水上バス需要を55.9~77.1%膨らませて予測した。 予備車両編成率と水上バス油類費などを除いたまま経済的妥当性を分析して、0.54~0.71にしかならない“費用対比便益比率(B/C)”を1.14に膨らませた。 費用対比便益が1を越えれば経済性があると判断される。
にもかかわらずソウル市は *楊花(ヤンファ)大橋の橋脚拡張工事(367億ウォン)着工 *汝矣島(ヨイド)旅客総合ターミナル造成及び観光船舶運行事業(1240億ウォン)公募等、ハンガン舟運事業を推進した。監査院は「このまま推進した場合、運営赤字累積により事業効果を得られなくなる恐れがある」と診断した。
ソウル市は昨年 楊花(ヤンファ)大橋下流側の2車線の橋脚をなくしアーチにする工事を行ない、現在は上流側の2車線の橋脚までなくし楊花大橋の“ㄷ字”車輌通行を強行しようとしている。下流側の橋脚工事の際には74億ウォンの橋梁鉄製構造物事業を無免許の業者が施工したという事実も出てきた。
また汝矣島(ヨイド)旅客総合ターミナル造成事業の民間業者選定の際には、国家や地方自治体に帰属しない船舶建造費まで総事業費に含め業者の無償使用期間を増やしてやった。
さらに水陸両用バス運行事業の選定時には、特定業者を後押ししようとして事業者選定委員会に一部資料を出さず、以後2位になった業者を事業者として選定したが、この業者が水陸両用バスを納品できずに契約が解約され、結局16億ウォンの予算をかけた入水路および進入道路が無用の長物になったと監査院は指摘した。
←漢江ルネサンス舟運事業概要と経済的妥当性分析結果
盤浦(パンポ)大橋のそばに最近完工した人工島のフローティング アイランド(三光ふわふわ島)事業を推進する際にも、民間事業者に過度な特典を与えた事実が露見した。 監査院は「民間事業者責任で協約が解約される場合にもソウル市が50%の支給金を負担するようにしたし、いい加減な事業性検討結果をそのまま認定し無償使用期間を20年から25年に増やしてやった」と指摘した。 工事を遅延させた民間事業者から履行保証金82億ウォンと河川占用料3億ウォンなどを徴収せずにいた事実も明らかになった。 監査院はソウル市漢江事業本部の関連公務員4人を懲戒することをオ・セフン ソウル市長に要求した。
漢江ルネサンス事業の一部として江西区(カンソグ)麻谷(マゴク)地区に遊覧船船着き場・ホテル・コンベンションセンターなどを建設する麻谷(マゴク)地区ウォーターフロント事業(事業費9700億ウォン)も、経済性のないことが分かったにも拘らずソウル市が強行した。この事業と関連したオリンピック大路立体化事業(2025億ウォン)が、経済性がないというSH公社の妥当性検討報告書が提出されていながら、ソウル市はこれを握りつぶして事業を推進し、結局工事が中断されて100億ウォン近い予算を浪費するだけに終ったと監査院は指摘した。監査院はソウル市本部長の停職など関連公務員の懲戒を要求した。
民主党議員が多数を占めるソウル市議会は「西海航路事業が経済性がなく少数の上流層のための事業」であるという理由で、今年度の予算752億ウォンを全額削減した経緯がある。
ヨム・ヒョンチョル漢江運河白紙化ソウル行動執行委員長は「これまで環境団体とソウル市議会が主張してきたように、漢江舟運事業の経済性が低く、需要予測の水増し、費用・便益分析の歪曲、民間業者への特典提供、いい加減な事業推進等、問題だらけであることが監査院の監査結果でも明らかになっただけに、ソウル市は直ちに西海航路事業を中断しなければならない」と指摘した。
これに対しソウル市は「西海航路は港湾法を適用する港湾事業であるから船舶購入・運営費を除くべきなのに、監査院はこれを含めて再分析することによって経済性が低く出たもの」として監査院に再審議を請求する方針を明らかにした。
オ・セフン ソウル市長は「国費を導入してでも西海航路事業を推進する」とし、来る10月に完工すれば漢江で運行中の700トン級遊覧船4~5隻を金浦まで運行する方法を講ずると話した。
イ・スニョク、ユン・ヨンミ記者 hyuk@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/483531.html 訳A.K