原文入力:2011/06/01 22:52(1476字)
[北発表文の疑問点]
滞在・出張費名目で渡した模様
別途に相当額を提示したという観測も
統一部側 "あきれた話"
非核化会談 言及も抜け落ちた
南北首脳会談議論のための中国北京秘密接触事実を公開した北韓<朝鮮中央通信>の1日報道には知りたい気持ちを掻き立てる点がいくつかある。
通信は北側が先月、秘密接触で「今のように南側で‘先 核放棄’と‘天安艦・延坪島事件に対する謝罪’を要求する限り、最高位級会談開催はありえない」と明らかにし、南側当局者が「首脳会談開催をはやく推進させよう」とし、金入り封筒まで出して誰かを誘惑しようと試みたと主張した。北韓が言う金入り封筒が首脳会談の代価を意味するものではないと見られる。李明博大統領は昨年2月2日、閣僚会議で 「南北首脳会談が実現しても会談のための代価はありえないという大前提の下に南北首脳が会わなければならない」と強調した経緯がある。
それよりは南北接触の時に慣例的に北側関係者たちに提供する‘寸志’程度が入れられた文字どおりの金入り封筒だったという見方が多い。南北会談に精通したある前職高位当局者は「南北間の出会いでは接触の雰囲気をやわらかくするために南側から滞在費に当ててくれと少しずつお金を与える」として「今回も出張費も十分でないでしょうから食事代にでもしろとの意味だっただろう」と話した。だが、一部では首脳会談の議論に消極的な北韓当局者などを懐柔するために相当な金額のお金が国家情報院で管理する‘情報費’から準備されたのではないかとの観測も出ている。しかし、統一部当局者は「全くあきれた話」として「当然そんなことはなかったし話にもならない」と否認した。
先月9日、秘密接触に先立ち南側が4月から‘天安艦・延坪島事件についてこれ以上挙論しないから、どうか首脳会談のための秘密接触をしよう’と繰り返し懇請したという通信側の主張も目を引く。通信は当時、南側がどんな経路を通じてこういう‘懇請’をしたかについては言及しなかった。北京などの国家情報院チャンネルや統一部の開城工業団地チャンネルなどが活用された可能性が議論されている。南側が3月末から民間団体の純粋人道的対北韓支援と北韓訪問を再許容したことに照らして、民間関係者を通じて意思伝達がなされた可能性もある。
通信の報道に核問題を扱う非核化南北会談に対する明示的言及がないという点も注視すべき点に挙げられる。李明博政府とはこれ以上南北対話をしないという態度は明らかだが、6者会談再改の1段階として提示されてきた非核化南北会談をどのようにするのかは明確でないためだ。一応、全般的な南北関係断絶を宣言した点に照らし、非核化南北会談も事実上水泡に帰したという展望が有力だ。北韓が今後、1段階南北対話を飛び越え北韓-米国対話へ直行するという戦略的意図を示したということだ。
しかし南側が天安艦・延坪島事件に対する北韓の謝罪と非核化南北会談連係方針を取り下げるなどの状況変化によっては非核化南北会談が開かれる可能性を排除できないという見解もある。政府高位当局者は「北韓の明示的言及がないだけに非核化南北会談参加問題は今少し時間を置いてみる必要がある」と話した。
ソン・ウォンジェ記者 wonje@hani.co.kr
原文: 訳J.S