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錨を揚げた現代史学会…“ニューライトの歴史認識”と瓜二つ

原文入力:2011-05-20午後08:55:19(1979字)

創立記念学術大会開く
安保・建国の重要性強調
学界、政治的意図を疑う

カン・ソンマン記者

←韓国現代史学会主催で20日午後、ソウル瑞草区のソウル教育大エデュウィルセンターコンベンションホールで開かれた「韓国現代史学、何が問題か」という主題の学術会議で参席者が討論している。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

現代史研究を目標に掲げた韓国現代史学会が新しくスタートした。 だが、指向するところと見解がニューライト陣営が中心になって活動していた“教科書フォーラム”と似ており、学術的目標よりは政治的意図が敷かれているのではないかとの批判が提起されている。

韓国現代史学会は20日ソウル教育大学で「韓国現代史学、何が問題か?」というタイトルで創立記念学術大会を開いた。「いままで不充分だった韓国現代史分野に関して多様な学問的交流と協力を図る」というのが趣旨だ。 クォン・ヒヨン韓国学中央研究院教授が会長、ユ・ヨンイク韓東大客員教授、アン・ビョンジク ソウル大名誉教授、リュ・クニル ニューデイリ顧問など12人が顧問として参加している。 イ・ヨンフン ソウル大教授、チョ・ヒムン仁荷(インハ)大教授など100人余りが発起人として参加し、全会員数は150人余りに達すると学会側は明らかにした。

この日の学術大会ではキム・ハクチュン カイスト客員教授、キム・ヨンジク誠信(ソンシン)女子大教授、キム・ミョンソプ延世(ヨンセ)大教授などが発表に立ち、安保を強調して共産化を防いだ1948年の建国の重要性を主張した。 キム・ヨンジク教授は韓国現代史研究に現れた史観を近代化史観、分断史観、建国史観などに分けた。 彼は「建国史観は、大韓民国建国が自由民主主義を標ぼうした近代国家体系を樹立するものと見る」と高く評価して「建国があったから、以後産業化と民主化が可能だった」と強調した。

朝鮮戦争を“反帝共産主義対反帝反共主義の間の衝突”と規定したキム・ミョンソプ教授は「我々の歴史界は“反共主義”’を克服するために“反反共主義”’のわなに陥ってしまった」とし、帝国主義と共産主義を同時に反対した反共の価値に注目しなければならないと話した。 イ・ミョンヒ公州(コンジュ)大教授は、現在の教科書は建国の重要性がまともに反映されていないという問題提起をした。

しかし学界では、韓国現代史学会のこのような歴史認識が既存のニューライトのそれと特別異なるところがなく、彼らの活動にイ・スンマンの“建国”の功績をふくらませて現代史において既得権を享受してきた勢力に正当性を付与しようとする政治的意図があるのではないかという憂慮を表明している。 実際にアン・ビョンジク、イ・インホ、パク・ヒョジョン、イ・ヨンフン、チョン・サンイン ソウル大教授やユ・ヨンイク延世(ヨンセ)大教授、チャ・サンチョル忠南(チュンナム)大教授など、教科書フォーラムを主導した人物がこの学会にも主導的に参加している。

パク・ハンヨン民族問題研究所研究室長は「かれらが主張する建国史観は典型的な“国家主義歴史観」と規定した後、「憲政を破壊した独裁者に免罪符を与え、国家内部の矛盾を近代化のための必然的な過程と見るなど、国家の実体が何なのかすら明らかでない」と話した。 「韓国史教科書執筆者協議会」の代表を務めるチュ・ジノ祥明(サンミョン)大教授は「学問の自由は認めるが、政治的意図でもって既存の教科書に根拠のない非難を加えようとする試みと見ることができ、憂慮される」と話した。 チョ・クァン高麗(コリョ)大名誉教授も「彼らが提示する歴史認識は、歴史の教科書というよりは国民倫理の教科書にでも合いそうな、維新時代より更に後退した歴史認識だ」と批判した。

一方「左右を分けない」と学会側が明らかにした名簿を巡っても雑音が生じている。 当初発起人名簿に名前を載せたト・ジンスン昌原(チャンウォン)大教授は「左右を分けないで幅広く韓国現代史を研究する」という趣旨を聞いて参加したが、性格についての論議が起きたあと脱退した」と明らかにした。 歴史学者キム・ムヨン氏も発起人名簿に名前が載せられたが、事実と違うことが明らかになった。 やはり発起人名簿に名前が上がっているイ・グンシク ソウル市立大教授も「見たことも聞いたこともない団体だ」として参加した事実はないと言っている。

チェ・ウォンヒョン記者 circle@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/479018.html 訳A.K