原文入力:2011-05-18午前08:26:37(994字)
「キリギリスを大切にしようとして誠実なアリに不利益を与え」
ニューライト系の本 数百冊 購入し職員に配る
イ・ユジン記者
保健福祉部が最近“普遍的福祉”を批判し福祉政策受恵者を“キリギリス”として蔑視する内容の福祉関連小冊子を数百冊買って職員に読ませたことが明らかになった。
16日、福祉部公務員などの話を総合すれば、福祉部は先月ニューライト系列の経済研究機関である「自由企業院」が出した『福祉論争:何が問題で、どこへ向かうべきか』(ヒョン・ジングォン著、8000ウォン)という120余ページの小冊子を、局・室別に何冊かずつ義務的に買うようにし計250冊(200万ウォン相当)を購入した。
この小冊子の内容は、国家福祉の縮小と家族の責任拡大が中心である。普遍的福祉を“無料・只”と規定して両極化論を批判する。「両極化は…社会現象についての否定的な側面を示す代表的な用語」であり「所得格差は公正な競争構造の中で現れた結果」であると主張する。
また、この本は「無償福祉プログラムを一般的にポピュリズム政策と称する」「キリギリスの権利を過度に強調すると、アリの権利を侵害せざるを得なくなる」「経済主体が熱心に働こうとする意欲を失わない程度に(福祉政策が)行なわれなければならない」と強調する。 福祉政策対象者を“キリギリス”と見なす一方、誠実な一般の人たちには普遍的福祉が不利だという見解を表わしているのだ。
最後にこの本は、「家族を通しての福祉領域を補完する次元で政府の福祉政策を推進する必要がある」と家族に福祉責任を転嫁する形で終っている。 著者のヒョン・ジングォン亜洲(アジュ)大学経済学部教授は、保守指向の市民団体である「正しい社会市民会議」の事務総長を務め、イ・ミョンバク政府で大統領府政務首席秘書官室市民社会秘書官として勤務したことがある。
福祉部高位関係者は「多様な見解の本を読んで政策の参考にできるように勉強せよという次元で薦めたものであって、強制購入させたわけではなかった」と釈明した。
イ・ユジン記者 frog@hani.co.kr
原文: 訳A.K