原文入力:2011-05-12午前08:27:47(1891字)
新空港・貯蓄銀行事態で政府に対する民心“臨界点”
「総選挙の時に票で言おう」 与党支持者に変化の兆し
ソン・ヨンチョル記者
←釜山貯蓄銀行預金者で構成された非常対策委員会が11日午前、釜山貯蓄銀行草梁(チョリャン)本店で金融監督当局が進めている釜山貯蓄銀行強制売却手続きの撤回を要求して三日目の占拠座り込みを行なっている。 銀行入口には最高検察庁の公正な捜査を要請する文句が貼られている。 釜山/ニューシス
釜山は怒りがぎっしり詰まった都市のようだった。 誰かが引き金を引きさえすれば待っていたかのように爆発する態勢ができているようだった。 パク・ミンシク ハンナラ党議員はこれを「臨界点に達した」と表現した。
「先日ソウルに行ってきたが、もう釜山は大韓民国第2の都市ではない。昔はどうだったか知らないが。今 私たちはそう思わない」 9日沙下区(サハク)下端洞(ハダンドン)で会った40代のカン・某氏は自尊心が傷ついたと話した。32才の就職準備生は「就職するところがなく、ソウルに行くつもりだ」と話した。 沙下区、槐亭洞(クェジョンドン)で会ったある自営業者(36)も「開発は首都圏ばかり、良いことはみな上の方(首都圏)ばかり行くじゃないか」と語る。
韓国銀行釜山本部の統計を見れば、昨年釜山の青年層(15才~29才)の内、1万2千人余りが働き口などを探して他市や道へ出て行き、この内 67.1%が首都圏へ向かったことが分かった。東南圏新空港の白紙化は、傷ついた釜山の自尊心を余すところなく打ち砕いた。
釜山に鋭い爪あとを残した貯蓄銀行不法引き出し事件に対する鬱憤は随所に溢れていた。東区でトッポッキ屋を営む50代の女性は「毎日毎日トッポッキやオムク(訳注:おでんの具のようなもの)を売って少しずつ(お金を)貯めてきたのに、ほんとにもうはらわたが煮えくり返る」と話した。
積もり積もった怒りは先ずイ・ミョンバク大統領に向けられた。この前の大統領選挙と総選挙でハンナラ党候補に投票したという金井区(クムジョング)南山洞(ナムサンドン)に住むイ・某(51)氏は「もう政治は誰かが死んだという話以外は何も関心がない」と言った。
来年の総選挙の話も忘れられていなかった。民主党候補に投票するとおおっぴらに言う人は殆どいないが、「変えなければならない」とは皆が口をそろえて言う。50代の中小企業社長 カン・某氏は、貯蓄銀行事件について「あんなやつらに金を預けておいたんだから、猫に魚を預けたのと同じだ」と言い、「みんな心の底ではグツグツ煮え立っている。次の選挙の時には全て票にあらわれるだろう」と話した。貯蓄銀行の被害を受けたトッポッキ屋の女性は「もう私たちは死んでもハンナラ党には投票しない。周りの人たちもみんなそう言ってる」と話した。自営業だという40代男性は「民主党から良い候補が出てくればその人に投票するつもり」と話した。 しかし刺身屋の料理人キム・某氏は「それでもここは“ハンナラ民国”だ。次もやっぱりハンナラに投票するようになってるんだよ」と言った。民心が変化を渇望しているのは明らかだったが、方向が出ていないようだった。
去る2日、韓国ギャラップ世論調査を見れば、釜山地域で次の総選挙でハンナラ党候補に投票するという回答と野党圏候補に投票するという回答は各々38.4%と33.8%で大差なかった。すでに昨年の6・2地方選挙で民主党所属キム・ジョンギル釜山市長候補が44.5%の得票を記録したことがある。東区と蓮堤区(ヨンジェグ)の区長には無所属候補が当選した。落選はしたが民主党と国民参与党の候補6人は、30%を越える得票を記録するなど底力を示した。
韓国社会世論研究所の先月30日の世論調査で、釜山・蔚山(ウルサン)・慶南(キョンナム)地域は「イ大統領がよくやっていると思わない」という回答が57.5%に達した。これはソウル(62.8%)・京畿(63.6%)地域と似た数値で、大邱(テグ)・慶北(キョンブク)よりは11.6%ポイントも高かった。経済分野に限った場合は、この地域で「よくやっていると思わない」という回答は67.7%に達した。
釜山/ソン・ヨンチョル記者 sychee@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/477437.html 訳A.K