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中国 鉱山資本、北韓内陸部まで‘資源接収’に乗り出した

原文入力:2011-05-08午後09:00:16(2563字)
国境地帯への投資が終わり、清津・金策・端川一帯まで物色
中国 鉱山国有化の影響も…鉄道・港湾建設‘大規模輸送’

パク・ミンヒ記者

←アジア最大の露天掘り鉄鉱山である北韓の茂山鉱山。 中国企業等が2005年に50年間の開発権を確保し鉄鉱石を大量に中国に持ち出しており、中国の南坪につながる鉄道も建設されている。中国の一企業家がブログにあげた写真をキャプチャーした。

世界各地に食い込んだ中国のよどみない資源確保が岐路に立った。リビア内戦、南スーダン独立などでアフリカ資源を狙った中国の大規模投資と影響力が大きな打撃を受けている。反面、北韓が持つ豊富な鉱物資源は中国資本の新しい希望となっている。リビアと北韓は中国‘資源確保戦’の危機と機会を象徴する二つの戦線だ。
 「漢族の企業家らは北韓の資源に危険を顧みず果敢に投資している。北韓-中国国境に近い豆満江沿岸の鉱山にはすでに漢族企業らの投資がなされ、南方の清津、金策、咸興一帯で投資する鉱山を物色している。」

北韓、咸鏡北道で大規模鉱山を経営中のある朝鮮族企業家は、最近<ハンギョレ>と会った席で 北韓の資源と市場を求めて群がる中国資本の‘大長征’が進行中と語った。特に中国でも最高の資金力を誇る浙江・福建省などの‘南方資本’が大挙駆せ参じているという。

この企業家は「資金力の豊富な浙江省などの南方商人が朝鮮族らを前面に出し北韓の鉄鉱・金鉱投資を調べるために北韓各地を歩き回っており、現金が必要な北韓も鉱山開発権を大規模に解放しながら漢族企業らが(北韓鉱山に)途方もなく入り込んだ」と話した。既に北韓の鉱物資源に積極的に投資してきた中国東北地域の企業や国営企業に加え、莫大な資金力をもつ温州(浙江省)商人など南方資本までが加勢しているということだ。

‘南方資本’の北韓行は中国政府の新しい鉱山政策とも関連がある。中国内の石炭鉱山などに投資し金を儲けた‘メイラオバン’(石炭社長)は中国で‘成金’の代名詞だった。だが、昨年から中国政府が炭鉱の安全などを理由に民間資本の鉱山開発権を回収し、石炭と希土類鉱山などを国有化し、メイラオバンたちが北韓の炭鉱に視線を転じたと業界関係者たちは話す。

これと関連して、中国の鉱山業界関係者は「鉄鉱投資は利益の回収が早く、これに勝る良い事業はない」として「中国内で開発権を奪われたメイラオバンたちは北韓の改革・開放が表面化した時に投資すれば手遅れと考え先行獲得に乗り出した」と伝えた。この関係者は「遠くオーストラリア、ブラジルから鉄鉱石を輸入している中国としては、価格に比べ質も良く輸送もやさしい北韓の鉄鉱石に視線を転じるほかはない」と説明する。

アフリカや中東、南アメリカまで地球をひとまわりして資源確保に注力してきた中国企業らが経済難のために鉱山開発権を大規模に売り出していて輸送も容易な北韓に注目するのは別の見方をすれば当然の現象だ。延辺大学のある経済学者は「現在、北韓に投資して利益を得ることができる分野は地下資源であり、中国としては大規模資源が必要なので北韓の鉱山に投資が集中している」と分析した。

彼はまた「北韓も資源の重要性を知り、1次資源を(中国が)そのまま持ち出すことは敬遠するが、今は本当に苦しいので1次資源を売ってでも外資を導入しようとしており、それは経済開発の止むをえない初期段階」と話す。彼は「中国は改革・開放30年間に大規模資本が蓄積され、彼らは金に物をいわせて投資先を探している」と伝えた後「南方地域の資本が延辺の人々の名義で北韓に多くの投資をしている」と耳打ちした。

北韓-中国国境地帯に近い鉱山開発権を大部分確保した中国資本は、北韓内陸側に拡張を試みている。
アン・ビョンミン韓国交通研究院東北アジア北韓研究センター長は「地下資源は開発後の輸送に大規模費用がかかるので、これまで中国企業らは恵山銅鉱山、茂山鉄鉱山など国境地域や道路に近く輸送が容易な地域に集中投資してきた」として「今は咸鏡南道、端川鉱山などこれまでインフラ問題で開発できなかった地域にまで進出している」と説明した。

咸鏡南道、端川は銅、亜鉛、マグネサイトなどが豊富に埋蔵されており、一時韓国政府もこちらの鉱山開発のために深く調査したが南北関係断絶で開発できなかった。最近、端川から鉱物を積み出すことができる港湾工事が始まり、これは中国企業の鉱山開発と関連していると見られる。

北韓-中国の経済協力が緊密化し、中国政府の‘対北韓道路・港湾・区域一体化建設’計画により豆満江流域7ヶ所の北韓-中国通路も新たに開発・整備されている。羅先(羅津・先鋒)開発のための通路である吉林省、琿春の圏河と北韓ウォンジョンを結ぶ橋が整備された。合わせて南坪~茂山、図們~南陽~清津、三合~会寧~清津、沙子村~慶源郡、開山屯~三峰、古城里~サムジャン区間など既存道路と橋梁が老朽化している地域に新しく鉄道を建設したり1930~1940年代に日帝が建設した古い橋と道路を補修する作業がなされている。琿春付近のソァイワンズで切れていた鉄道も北韓北部鉄道と連結することで両国間に合意がなされた。

豆満江を境界として咸鏡北道茂山炭鉱と向き合った中国、吉林省、和龍県、南坪では鉄道工事が真っ最中だ。30億tの鉄鉱石が埋蔵されたアジア最大の露天掘り鉄鉱山である茂山鉱山の鉄鉱石を中国へ大規模輸送するために茂山と南坪間の53.5kmを結ぶ工事だ。

天池、通化鉄鋼など3ヶ業者が茂山鉄鉱の50年間開発権を確保し、パイプラインを通じたりトラックに積み鉄鉱石を持ち出しているが、今年この鉄道が完工すれば中国が持ち出す鉄鉱石は画期的に増えることになる。鉄道の近隣には鉄鉱石製錬・加工工場を作り、建築用材料と自動車用特殊鋼などを生産する予定だ。

琿春・延吉/パク・ミンヒ特派員 minggu@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/china/476886.html 訳J.S