原文入力:2011-05-06午後09:40:43(2281字)
原子力発電所対策、災害基準低くテロ対応はなし
環境連合 "地震安全地帯を前提にした耐震設計"
最高海水位 5.7m…安易な設定 批判起きる
イ・グンヨン記者
←イ・ジュホ教育科学技術部長官(右側)が6日午前、ソウル、世宗路の政府中央庁舎で国内原子力発電所安全点検結果を発表した後、ブリーフィング室を出ている。左側からユン・チョルホ韓国原子力安全技術院院長、キム・チャンギョン教科部第2次官、点検団総括共同委員長のチャン・スンピル ソウル大名誉教授とキム・ヨンジン成均館大教授。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr
政府は6日、原子力安全委員会を開き釜山機張郡の古里原子力発電所1号機をはじめ国内21基の原子力発電所に対する安全点検を行った結果、国内原子力発電所が安全に設計・運営されているということを確認したと明らかにした。
イ・ジュホ教育科学技術部長官はこの日午前、政府中央庁舎で記者会見を行い「古里1号機の原子炉容器の安全性と、先月12日に発生した不意停止原因分析と後続措置に対する適切性を検討した結果、問題がないことを確認した」と話した。韓国水力原子力(株)(韓水原)はこの日午後、教科部から原子力発電所再稼働承認を受け古里1号機の運転に入った。
■災害・事故に対する対策
政府はまた、最悪の自然災害が発生しても原子力発電所が安全に運営されるよう50ヶの長短期安全改善対策を出した。対策には津波に脆弱な古里原子力発電所の海岸防壁を2.5m高める方案、非常電力供給施設に防水門と防水型排水ポンプ設置、車両装着移動型非常発電機確保、核燃料損傷で発生した水素を除去する最新型設備設置などが含まれた。政府は原子力発電所事業者である韓水原が2016年までに1兆440億ウォンの財源を投じて安全改善対策を実行に移すようにする方針だと明らかにした。
しかし反核釜山市民対策委員会と‘原子力発電所追加建設および寿命延長反対蔚山市民行動’はこの日「古里1号機寿命延長過程で提起された疑惑に対して点検した内容がないにもかかわらず教科部は適合していると発表した」とし「原子力発電所安全点検と古里1号機に対する国会の国政調査を要求する」と明らかにした。
■災害予測の設定が安易
環境運動連合は「原子力発電所の耐震設計は1978年以後の計器地震記録を土台に韓半島が地震安全地帯であることを前提に設計したもの」とし「歴史的には規模7.3の地震があった記録を考慮し設計基準を高めなければならない」と主張した。チャン・ジョンウク日本、松山大教授(経済学)は「東海の向い側の日本、島根県原発敷地の高さが8mであり、今後15mに高める計画なのに、東海に津波が起きれば我が国も同じ影響圏」とし「蔚珍の予想最高海水位を5.7mと捉えたことは地震や津波が東海で起きないことを前提とした安易な予測」と指摘した。
キム・ヨンファン議員室のオ・ジンウン補佐官は「古里1号機の圧力容器は交替できないので耐久性と非破壊検査が必ず必要だが、今回も非破壊検査をしなかった」と指摘した。ユン・チョルホ韓国原子力安全技術院院長は「非破壊検査は10年に一回ずつ行うことになっており、今回は外部専門家が資料を土台に破壊力学的解析を通じて安全を確認した」と話した。
■専門性とテロ対応 不足
政府の総合対策には原子力発電所管理の相当部分が下請け・サービス業者の職員らにまかされている人材構造の弱点を改善する方案が粗雑に扱われたという批判もある。ソ連チェルノブイリ原発事故と米国スリーマイル原子力発電所事故が全て作業者のミスから始まったことを考慮すれば、原子力発電所作業者の相当数が専門性が劣る下請け・サービス業者職員で満たされている国内原子力発電所は人災による安全事故の可能性が大きいと指摘されてきた。これに対してユ・ククヒ教育科学技術部原子力安全課長は「原子力発電所運営人材の職務を分析し、人材の適正性を評価し代案を用意するようにする方案は対策に入っている」と話した。
政府の今回の安全点検項目にはテロ攻撃に関する対策は抜けていることが明らかになった。特に使用済核燃料保存所の場合、一般コンクリート建物であり耐震設計だけがなされており、ロケットや爆撃などの攻撃に脆弱だという指摘があったが、政府の安全対策には入っていなかった。ユン院長は「今回の点検は自然災害に対する評価が核心であったため検討しなかった」として「過去にテロなどに対する点検をした時、十分な防御体制になっているという結論を下した経緯がある」と話した。
■“住民意見収斂なしに点検”
キム・チャンギョン教科部第2次官はこの日の記者会見で「民間参加団が提示した24ヶの建議事項と38ヶの嘆願事項を取りまとめて点検に反映した」と明らかにした。しかしヤンイ・ウォンヨン環境運動連合組織活動局長は「民間環境監視機構の一部委員と一部地域住民を対象に説明会を開いたことを地方自治体全体と住民意見を取りまとめたかのように誇張している」と反論した。 イ・グンヨン先任記者、ナム・ジョンヨン記者、釜山/キム・グァンス記者 kylee@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/476783.html 訳J.S