原文入力:2011-04-18午前08:16:55(1433字)
労組内部からも批判…代議員大会 論難起きる公算
"既得権確保に埋没すれば大衆の支持を失う" 指摘
キム・ソヨン記者
現代車労組 子弟採用特典要求
現代自動車 正規職労組が長期勤続者の子弟 優先採用を要求する内容の団体協約を推進することが明らかになり大企業労組の利己主義が俎上に上がった。
非正規職労働者が半分以上を占めるなど労働市場が不安定な状況で、それでも雇用安定と高賃金を保証されている正規職労働者が‘労組の力’を利用し子弟にまで正規職の働き口を相続するということは簡単には受け入れにくい要求であるためだ。特に採用は何より機会の平等が重要だが、父親が正規職という理由で子弟が恩恵を受けることは公平性に外れ、労働市場をわい曲しかねないという指摘が出ている。
正規職労組のこういう動きに対し正規職内部からすら批判が出ている状況だ。現代車労組のある代議員は「若い組合員らを中心に‘労組がそんなことをしてはいけない’という自省の声が出てきている」として 「正規職労働者が会社の発展に寄与したので子弟に特典を与えるという論理なら、国会議員世襲、経営者世襲なども労働組合が批判できなくなる」と話した。また別の代議員は「今、至急必要なことは正規職子弟の優先採用ではなく、下請け労働者らの処遇改善」としながら「(労組の行動が)恥ずかしい」と語った。労組の一部代議員は18日午後に開かれる臨時代議員大会で長期勤続者子弟優先採用に対し反対意見を出すと明らかにしており論難が予想される。
現在、現代車蔚山・牙山・全州工場では社内下請け労働者が8000人余りに及び、彼らは正規職と混じって同じような仕事をしているにも関わらず、雇用は常に不安で賃金は正規職の60%にも達し得ない。
昨年、最高裁で「現代車が社内下請け労働者を直接雇用せよ」という判決が下された後、非正規職労働者は正規職化を要求しストライキと占拠籠城を行った。だが、非正規労組員は正規職になるどころか、あらゆる方法を動員した労組脱退作業に苦しめられており、蔚山工場では45人解雇と539人停職および減給、牙山工場の場合には39人解雇と158人停職など大量懲戒がなされた。
現代車労組の上級団体である民主労総傘下金属労組も困り果てている状況だ。金属労組のある関係者は「金属労組は今年2年以上にわたり常時業務を遂行している非正規労働者の正規職化を要求する計画」としながら「現代車のような大企業労組が子弟優先採用条項の団体協約が締結されれば、社内下請け非正規職問題を解決することはより一層難しくなる」と憂慮した。
大企業労組の‘既得権確保’は労働運動の危機に進むほかはないという指摘も出ている。ユン・エリム全国不安定労働撤廃連帯政策委員は「力のある大企業労組ならば必要な働き口を非正規職でなく正規職として採用しなければならないと会社に要求するなど‘働き口のパイ’拡大に努力しなければならない」として「大企業労組までが社会的役割をせずに自分の利益確保だけに埋没すれば労働運動は大衆から徹底的に無視されることになるだろう」と話した。 キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr
原文: 訳J.S