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"ここで幸せだったのに…我が家 奪われ1~2億を追加で払えとは"

原文入力:2011-04-04午後10:55:00(1602字)
破綻したニュータウン、破綻した庶民
若い時期に米軍部隊で靴を磨き清掃して
一生働いて貯めたお金で3階一戸建てを買ったが
家賃収入60万ウォンに廃紙を拾って暮らしてきたが
"生活費 どうすれば…政府が食べさせてくれるのか"

ホン・ヨンドク記者

3日午後、京畿議政府市、自金洞役場前で会ったパク・ジャンピョ(76)氏、手には京畿北部老人保護専門機関を広報するチラシの束を持っていた。老人たちにビラを配る公共勤労をしているパク氏は「ニュータウンで家を奪われることを思うと寝てもいられず むくっと起きて文句を言う」と話した。

日帝強制支配期に父親と日本に渡り、広島で原爆被害を受け帰国したパク氏は20代だった1960年代初め、東豆川の米軍部隊キャンプ Caseyで仕事をした。いわゆる‘ハウスボーイ’だ。米軍人の靴を磨きテント清掃とベッド整理のような汚れ仕事をした。仕事は辛く月給は米一袋の価格にもならなかったが、子供たちを教えてたくさんお金を集めた。そして1989年、1億3000万ウォンで金梧洞に3階一戸建て住宅を買った。この家は彼の一生の全財産だ。

パク氏は「初めはニュータウンとして開発されるというので大騷ぎが起こったんです」と話した。地価が上がり開発されればお金をたくさん受け取れるという話だった。数ヶ月が過ぎて公示価格が出てくるとパク氏は「確かめてみると1億~2億ウォンはさらに追加で払わなければニュータウンの新しいアパートは買えず、受け取る補償費では貸切住宅の保証金にも足りない状態で追い出されたよ」と話した。

現行ニュータウン事業の構造は自分の住居価格と入居希望アパートの分譲価格は事業の最終段階で分かるようになっている。自分の住居価格は通常、公示地価の120%だ。

パク氏が暮らしているクムウィニュータウンをはじめとして1980年代に土地区画整理事業を終えたところの大部分がニュータウン事業地区に含まれた。立派な消防道路ができ公園も多数作られるように区画整理されている。パク氏のように40~50代でこちらに家を求めた後、今は老人層となり家賃収入で暮らしをつないでいる住民たちにとって、家は無くてはならない‘生存手段’だ。

自身の家の3階に住むパク氏は、1~2階の4世帯を借家にして月に60万ウォンを受けとっている。妻は廃紙を拾い、自身はチラシ配りで公共勤労事業に参加し20万ウォンずつ稼ぐ。パク氏は「それでも食べたいものを食べられて幸せだが、ここを出て行けば死ぬ他はないではないか」と訴えた。

近隣ニュータウン地区である佳陵(カヌン)1洞の銀河水公園で会った住民 カン・ジュンシク(76)氏は「仮にニュータウンに入るとしよう。それでアパート管理費や生活費はどういう方法で払えばいいのか。政府が食べさせてくれるのか」と声を荒らげた。

議政府市が調査したクムウィ・佳陵地区住民の内、月間収入300万ウォン以下の所得分位5分位以下の比率は65.5%だ。議政府地域の坪当たりアパート売買価格を823万ウォンと見れば、33坪型は最低2億8000万ウォン以上だ。パク氏のように今以上の稼ぎが難しい住民10人の内7人は事実上再定着が難しい状況だ。推進委および組合設立が可能なニュータウン促進計画が決定された京畿道11地区の総世帯数は22万959世帯である反面、ニュータウン計画供給世帯は18万9125世帯だ。すでに3万1834世帯8万人余りの‘ニュータウン難民’が確定したわけだ。

議政府/ホン・ヨンドク記者 ydhong@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/471358.html 訳J.S