本文に移動

事故頻繁な機種、寿命延長 前例なし

原文入力:2011-03-22午前08:37:07(1793字)
弱点多く世界市場から押し出されたモデル
韓国水力原子力 "圧力管交換…再稼働可能"
市民団体 "あえて韓国が試験台になるのか"

ナム・ジョンヨン記者、イ・グンヨン記者

日本の原子力発電所事故で再び寿命延長論難に包まれた月城原子力発電所1号機

国内月城1号機巡り 論難 拡散

日本、福島原子力発電所事故により原子力発電所の放射能恐怖が広がる中で、来年11月に設計寿命を終える慶北、慶州の月城1号機の寿命延長を巡る論難が大きくなっている。

寿命延長とは原子力発電所の設計寿命が終われば修理をして再び使うことであり、国内では2007年釜山、機張郡の古里1号機が初めて寿命延長に入り稼動中だ。環境団体は福島原子力発電所事故を契機に各国が原子力発電所の新規建設まで再検討している状況なのに、寿命延長を推進すること自体が問題だと指摘する。老朽原子力発電所は配管が錆つくなど色々な問題を起こす可能性が大きいため廃棄手続きを踏むのが自然だということだ。

←月城1号機 寿命延長を巡る争点

月城1号機は1982年に稼動を開始し、来年に設計寿命30年に達する。韓国水力原子力は安全性と経済性を広く問い詰め十分に再使用が可能と主張している。寿命延長に必要な準備はほとんど終わり原子力発電所が最適状態に若返ったということだ。パン・ソンファン韓国水力原子力設備技術処部長は「3月に圧力管交換を終え試運転に入った」として「現在の工程から見て6~7月には交換した設備で再稼働に入れる状況」と話した。

だが、重水炉原子力発電所である月城1号機の稼動方式は運営初期から論難になってきた。製作会社の名前を取り‘CANDU型’原子力発電所に分類される月城1号機は天然ウラニウムを原料として使い、重水により冷却される。軽水炉よりはるかに多い使用後核燃料を発生させ、放射性物質である三重水素の発生量も多い。こうした弱点のためにCANDU型は加圧型・沸騰型軽水炉の両者構図である原子力発電所市場から事実上押し出された状態だ。CANDU型はカナダで17基、韓国で4基など両国が大部分を使っている。プルトニウム239を発生させ核兵器製造がやさしいためインド、パキスタンも各々2基を所有している。

←軽水炉と重水炉比較

CANDU型原子力発電所はカナダなどで大事故が多く運用と中断が反復された。イ・ホンソク エネルギー正義行動代表は「開発初期に大事故があった軽水炉原子力発電所とは違い、重水炉原子力発電所では1990年代にも2等級(安全系統の再評価が要求される故障)以上の大事故が多い点を注視しなければならない」と話した。1996年4月、カナダ Pickering4号機の熱交換器から漏出が起き、多量の三重水素がオンタリオ湖に放出されたこともある。これを含めてカナダでは2等級事故6件など計16件が発生した。Pickering2,3号機は1997年以後、長期閉鎖された状態だ。イ代表は 「カナダでCANDU型原子力発電所の寿命延長がなされたことはあるが、過去に長期間にわたり運用が中断された経緯があり、平均利用率は40%内外だった」として「月城1号機がCANDU型寿命延長の事実上初のケース、韓国があえて自ら試験台になる必要はない」と話した。

地域・環境団体の反発はより一層強まるものと見られる。慶州核市民連帯は日本原子力発電所事故がおきるや「福島原子力発電所も寿命延長機種だった」として反対運動を本格化した。

2等級1件など計47件の事故が起きた月城1号機老朽設備の適切な交換と安全性問題も論難になるものと見られる。イ・ウンチョル ソウル大教授(原子核工学)は 「月城1号機は原子炉内に放射性物質が漏れ出た時、その流出を止める鉄板(スチールライナー)がないという設計上の弱点があった」とし「韓国水力原子力側では十分に補完作業をしたと言うが、寿命延長審査過程で重点的に調べなければならない部分」と話した。 ナム・ジョンヨン記者、イ・グンヨン先任記者 fandg@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/469134.html 訳J.S