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"ご飯を食べる場所もない" 時給4320ウォンの叫び

原文入力:2011-03-08午後10:15:47(1954字)
[現場] 高麗大・延世大・梨大 清掃労働者‘共同ストライキ’
明け方から10時間労働で手にするのは月85万ウォン(約6万円)、節約して使っても何も残らない
"時給 860ウォン上げてくれ" 要求、会社は拒否…大学は傍観

ファン・チュンファ記者

←103回目の世界女性の日を迎えた8日、女性労働者たちは花冷えの寒さの中 冷たい風に吹かれながら路上に座り込んだ。‘労働者平均賃金の半分水準の賃金’を要求し、この日一日ストライキを行った高麗大・延世大・梨花女子大の清掃労働者たちがこの日午後、ソウル、新村洞の延世大本館前で明るい表情で農楽隊の公演を見ている。世界女性の日は1908年 数千名の米国縫製産業女性労働者たちが未成年者労働の禁止と女性参政権などを要求しデモを行ったことを記念する日だ。 イ・ジョングン記者 root2@hani.co.kr

8日午後2時、いつもなら延世大清掃労働者コ・ヨンジャ(53)氏は清掃で目が回るほど忙しい時間だ。学生たちが荒らしていった講義室の机と椅子を整頓し、使い捨て紙コップがぎっしり埋まったゴミ袋を引っ張りだしていただろう。だがこの日、コ氏は清掃道具の代わりに‘生活賃金争奪’というスローガンの書かれた真っ赤な風船を持っていた。コ氏をはじめとして高麗大・延世大・梨花女子大の清掃労働者860人を雇用する用役会社が賃金引き上げを拒否したことにより、彼女たちは‘ほうき’を置いた。

中学3年、高校2年の2人の子供を持つコ氏は、いつも明け方4時に起きご飯を用意し、5時に家を出る。日雇い労働者の夫は仕事と給与が一定でなく、コ氏の収入が主な所得だ。朝・昼の食事代を節約するために弁当も作る。コ氏が午前6時から仕事を始め午後4時に退勤するまで、休める時間はご飯を食べる午前9~10時と午後1~2時だけだ。だが、清掃を実際やってみれば、それすら喰い込むのが常だ。ご飯を食べる空間もよくない。コ氏は「警備のおじさん2人が使う警備室でご飯を食べ休んだりもするが、少しだけ眠りたくとも、おじさんたちが困ると言うのでそうもできない」と話した。一日に10時間ずつびっしり仕事をしてコ氏が受けるお金は月に86万ウォン余りだ。

状況がさらに悪い人もいる。延世大工大(工学部)3階を清掃するイ・某(54)氏は遅くとも明け方5時30分には仕事を始めなければならないために明け方4時に家を出る。イ氏は「教授たちが朝早く出てくるが、それ以前に教授室と講義室などの内部清掃を終えなければならない」として「研究に集中する時間におばさんたちが行き来すれば気に障るから仕方ない」と話した。

これら清掃労働者が受け取る給与は時間当り4320ウォンで、法定最低賃金だ。用役会社側に大韓民国労働者の平均賃金の半分水準である5180ウォンを要求したが、会社は最低賃金以上は難しいという言葉だけを繰り返している。梨花女子大清掃労働者のイン・某(61)氏は「時間当り5180ウォンを受け取り週40時間仕事をすれば1ヶ月に100万ウォンをちょっと超えて受け取ることができる」として「夜明けに起きてきて一番底辺で仕事をしているのに、100ウォン200ウォンも引き上げできないというのが話になるか」と訴えた。土曜日に特別勤務まですれば、イン氏の月給は89万ウォン程になるが、今年の4人世帯の最低生計費143万9413ウォンに大きく及ばない。

全国民主労働組合総連盟公共サービス労働組合ソウル京仁支部組合員であるこれら清掃労働者860人はこの日午後2時、延世大本館前に集まり時間当り5180ウォンの‘生活賃金’を要求する全面ストライキ闘争大会を開いた。リュ・ナムミ公共サービス労組政策局長は「結局、鍵は用役業者ではなく大学が握っている」として「大学側が使用者として責任を認め積極的に仲裁に出なければならない」と強調した。だが、該当大学らは「直接当事者ではない」という原則論ばかりを明らかにしている。

一方、高麗大と延世大、梨花女子大の学生たちは、各々対策委員会を設け全面ストライキ支持署名運動を始め、8日までに4万5000人余りの学生署名を集めた。労組はこの日一日ストライキを行った後、再び交渉を行い合意点を見出すことができなければ15日から無期限全面ストライキに入る計画だ。

ファン・チュンファ、キム・ジフン、パク・ポミ記者 sflower@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/467121.html 訳J.S