原文入力:2011-03-02午前09:28:05(1819字)
一日に数十回 騒音との戦争 "耳が敏感な子供たちには致命的"
睡眠障害・財産価値 下落…住民24万人も被害 訴え
ソン・ジュンヒョン記者
←大邱空軍基地近隣の東区、不老洞の住宅街上空を去る25日、戦闘機が轟音と共に飛んでいる。 大邱/キム・ミョンジン記者 littleprince@hani.co.kr
"グワヮヮ~…" 、 "ウァン…" 去る22日午後2時頃、大邱市、東区、芳村洞のある子供の家では子供たちが一斉に泣きはじめた。近隣の軍飛行場から戦闘機4機が10秒間隔で離陸した直後だった。窓はがたがた震え、床からも振動が感じられた。
子供の家の教師たちは泣く子供たちをなだめるのに忙しかった。昼食を食べ疲れて昼寝をしていたが目が覚めた三才の男の子を抱いてなだめ、居間の隅で遊んでいて戦闘機の音で駆け寄ってきた五才の女の子には 「すぐ終わるから大丈夫」となだめた。教師たちはこのようにして一日数十回ずつ戦闘機の騒音と‘戦闘’を行っている。
この子供の家は大邱K-2空軍基地から200mほど離れている。キム・某院長は「子供たちは耳が鋭敏で大人たちより騒音がより大きく聞こえる」としながら「聴覚機能や情緒的な次元で戦闘機の騒音は子供たちに致命的」と話した。キム院長との対話も戦闘機が離陸する音のために中間中間で途切れた。
子供たちだけでなく大邱空軍飛行場周辺24万人余りの住民たちも、聴力障害と睡眠障害、精神的被害、財産価値下落などを訴えている。海安洞に住むクォン・ヨンチュン(59)氏は他に引っ越すかと悩んでいた。クォン氏は2年前に暮らしていた枝底洞より騒音が少ないと思い引っ越してきたが、むしろ騒音が更に深刻になったと不満を表わした。市内バスを運転しているクォン氏は「寝ても寝たようでなく、空軍基地が夜間飛行をした翌日の明け方に出勤すれば、頭がぼんやりしている」と付け加えた。
戦闘機の騒音に長く苦しめられながら住民たちは航空機博士になった。イ・ソンユン(63)氏は飛行場が広々と見える多世帯住宅の4階で基地の内側を説明した。「音だけ聞いても分かるだろう。あれは輸送機、あれは旅客機…。」
イ氏は騒音のために町内が遅れた地域になったと話した。「ここは地下鉄がとても近いのに他より住居価格が遥かに安いだろう。貧しい人々ばかりがこの町内をぐるぐる回っている。」近くのある不動産公認仲介士も「この地域が騒音被害が少ないところより約20%安い」と伝えた。
事情がこのようなわけで、住民たちは数人でも集まりさえすれば自然に補償金が最大関心事にならざるをえない。特にこれらの人々は去る1月にソウル高裁が下した被害補償訴訟判決に怒っていた。騒音が85WECPNL(加重等価平均感覚騒音レベル)以上の地域住民たちにのみ補償しろとの判決だった。
だが、イ・ジェヒョク大邱慶北緑色連合運営委員長は「受忍限度(耐えられる限度)を85WECPNLとしたことは話にもならない決定」と主張した。イ委員長は 「大邱法院が移転する所を探した際に東区を物色したが騒々しくて駄目だとし他の所を探しているという話を聞いた」とし「裁判所が住民たちの受忍限度を85WECPNLと判断しておきながら自分たちは静かなところで仕事をするということ」と皮肉った。
立石洞に住むオ・ヨンスク(57)氏は「道路一本を間に挟んで85WECPNLにならず補償を受けられない家がある」として「同じように騒々しいのに、誰かは補償を受け、誰かは補償を受けられず住民たちの間に葛藤が生じる憂慮もある」と話した。
そのため住民たちは毎度わずらわしい訴訟をしなければならない代わりに、軍騒音特別法がきちんと制定されることを願っている。イ委員長は「正確な騒音度と住民被害状況が把握されなければならず、当初議論されたように75WECPNL以上の地域に住む住民たちに対する補償と95WECPNL以上の地域住民たちの移住対策が必ず用意されなければならない」と話した。
大邱/パク・テウ記者 ehot@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/465938.html 訳J.S