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‘双龍車 復職’約束信じて倒れいく‘無給休職者’

原文入力:2011-02-27午後11:28:45(2095字)
双龍車、無給休職 450人復職に‘沈黙’一貫
遺体で発見されたある家長の通帳にはカード借金だけ
1年休職終わっても復職できず 建設現場 日雇 転々として

ホン・ヨンドク記者

←双龍自動車構造調整前後、組合員および家族死亡現況資料:双龍自動車労働組合

‘通帳残高4万ウォン、カード負債150万ウォン’
去る26日朝、京畿平沢市、細橋洞○アパートの自宅で遺体で発見された双龍自動車労組員イム・某(44)氏が世の中に残した現金資産現況だ。昨年4月25日、妻の投身自殺に続き1年も経たない内に冷たい遺体となったイム氏の葬儀室は高校1年生の息子(18)と中学校2年生の娘(15)が孤独に守っていた。

警察と双龍自動車労組は「イム氏には持病がなかったし、ストライキ後 復職できずに家族の生計に悩んでいた」という家族の話により過度なストレスにともなう心筋梗塞を死亡原因として推定している。

イム氏は2009年6月、会社が労働者2646人の整理解雇方針を通知したことに反発し77日間にわたり行われた労組ストライキに参加した。当時、労使は解雇全面撤回を要求し工場を死守した970人余りの労組員身分を巡り最後まで交渉を行い、48%は1年無給休職の後の復職を、残り52%は整理解雇という‘大妥協’を引き出した。イム氏は労組が妥協を通じて‘守った’48%、すなわち450人余りの無給休職者の1人だ。

←終わっていない双龍車の悲劇  双龍自動車労組員イム・某氏の葬儀室が用意された京畿平沢市、チャンダン洞のある葬儀場で27日午後、父親(左から2人目)と娘(左端)をはじめとする遺族たちが沈痛な姿で入棺式場に入っている。 平沢/イ・ジョングン記者 root2@hani.co.kr

イム氏が亡くなる一日前、夕食を共にした故郷の友人キム・某(44)氏は「子供たちの授業料を考えただけで胸が炭の塊のようになると言っていた」として「小さな子供の高校入学前には必ず会社に戻りたいと言っていたが…」として首を垂れた。

会社復帰の希望が強かったイム氏はなぜ死に追い込まれたのだろうか? イム氏のような無給休職者は会社が4大保険料を出しているので身分上は双龍自動車所属の労働者だ。そのために整理解雇された労働者たちは退職金と失業給付を受け取ったが、イム氏のような無給休職者たちは‘一銭’も受け取れなかった。休職中であり他の会社への就職も複数就職という規定のために意欲も出せなかった。

イム氏のような無給休職者たちができるのは日雇労働だけだ。イム氏もやはり建設現場での日雇い仕事をして生き残るために地団駄を踏んだ。だが、冬季には仕事が殆どない。生計を維持することさえ難しかった。彼は最近、自身の小型アパートを売り借家に移ろうとしたが、貸切保証金の暴騰でそれさえもやめざるを得なかったという。

イム氏の兄(47)は「子供たちの母親が死んだ後、弟がうつ病になった子供たちのために病院と学校を飛び回っていた」として「仮にも双龍車職員なのに会社では誰一人見る人もいなくて子供たちだけが孤児として残された」として喉をつまらせた。
‘無給休職者 1年後 復帰’と‘生産量にともなう循環勤務’という労使大妥協どおりならば、これらの人々は昨年8月6日に復職する筈だった。無給休職者代表イ・ソンホ(49)氏は「復職時点が分からない。それでも辞めることもできず他の会社に就職することもできない」と話した。復職して循環休職でもすれば政府の支給する平均賃金の70%の休業給与でも受け取ることができるが、復職できない状態ではそれすら不可能だ。

イム氏など無給休職者246人は昨年10月27日、ソウル南部支所に双龍自動車を相手どり昨年8月6日未復職にともなう‘賃金請求訴訟’を起こした。初公判は来る3月11日に開かれる。しかし合意文に対する労使双方の主張はぶつかっている。双龍車関係者は「合意内容は1年経過後に生産量が増え昼間連続2交代になれば無給休職者を採用するということだが、現在は生産物量対応人員が余っている」と話した。法律事務所‘未来’のキム・サンウン弁護士は「労使合意内容は1年後にこれらを復職させること」としながら「物量不足時は夜間および延長勤労をなくし昼間2交代を通じて働き口を分けようということが合意内容だが、会社がそれをわい曲している」と反論した。

双龍自動車ストライキに前後して亡くなった労組員と家族の数は、自殺労組員4人をはじめ計12人に達する。双龍車労組イ・チャングン企画室長は「これは資本が労働者を殺していることと同じだ。今後どれだけさらに多くの死者が出れば労働者の絶叫が聞こえるのだろうか」として沈痛な面持ちで語った。
平沢/ホン・ヨンドク記者 ydhong@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/465569.html 訳J.S