原文入力:2011-02-21午前08:43:20(1601字)
農食品部、地方自治体に "消毒だけ行い廃水処理" 公文
対策発表時も公開せず…汚染物質流出憂慮
ナム・ジョンヨン記者、パク・ギョンマン記者
政府が口蹄疫埋却地から出る浸出水について安全性検査を行わずに廃水処理場に送れとの指針を地方自治体に下ろしたことが確認され不良防疫論難が予想される。既存指針では口蹄疫ウイルスの有無などを検査した後、陰性判定が出た場合にのみ廃水処理できた。
20日 中央災害安全対策本部と地方自治体防疫担当者らの話を総合すれば、農林水産食品部は去る17日‘家畜埋却地浸出水処理方法’という公文書を地方自治体に送り、口蹄疫ウイルス有無に関する確認なしに酸・アルカリ製剤(pH 5以下あるいはpH 10以上)を散布さえすれば下水処理場と畜産糞尿処理場などへ移送処理できるようにした。これと関連して京畿道は21日、地方自治体として初めて南揚州市、真乾邑の豚埋却地から浸出水を抽出し酸・アルカリ製剤を投じた後に公共下水処理場に送る予定だ。
口蹄疫で埋却した牛・豚の死体からは2ヶ月間に各々160リットル、12リットルの浸出水が発生する。浸出水には口蹄疫ウイルスと桿菌などの病原性細菌が含まれている恐れがあり、政府は昨年11月に作った指針を通じ埋却地に排出有孔管を設置し周期的に回収するようにした。各地方自治体は回収した浸出水を国立獣医科学検疫院に送り口蹄疫ウイルスなど安全性検査を受け陽性ならば埋却地現場で焼却し、陰性ならば廃水処理をしているが、今回の指針で安全性検査を省略することにした。この場合、最終検査を受けなかった汚染物質が防疫統制線外へ搬出される可能性があり運搬過程などでのウイルス、病原性細菌流出が憂慮される。
今回の指針は15日に環境部で開かれた地方自治体埋却地浸出水対策会議と中央災害安全対策本部諮問委員会の意見を聞き最終確定したと知られた。諮問委関係者は「獣医科学検疫院から確答を受けることが原則だが、あまりにも浸出水の量が多く検査人材が少ないために このように決定されたと理解する」と話した。
環境部関係者は「酸・アルカリ製剤で消毒すればウイルスと細菌を全て殺すことができると判断した」として「畜産糞尿収集業者などの密閉されたタンクローリーを除去車両として利用する計画なので汚染物質流出の心配はない」と話した。
だが、今回の措置は防疫の基本原則である‘事前予防原則’を無視したものという指摘が出ている。事前予防原則は取り返しのつかない深刻な環境被害の可能性があれば、予防措置を保留してはならないという原則だ。 一般的に口蹄疫ウイルスと病原性細菌は強酸・強アルカリ状態で99%が死滅するが、消毒過程での失敗と運搬過程での流出など予想できない変数を排除できないためだ。
事情がこうであるにも関わらず政府は17日、浸出水除去対策を発表する際に安全性検査を省略するという事実を公開しなかった。
パク・サンピョ‘国民健康のための獣医師連帯’政策局長は「防疫上の失敗や弱点が露出すればウイルスや病原性微生物が残存する恐れがある」として「浸出水が出てくれば陽性か陰性かを確認し送りだすことが基本で、今回の指針は家畜防疫原則を後退させた措置」と批判した。
イ・ウンジュ ソウル大生命科学部教授は「薬品で口蹄疫ウイルスを大部分死滅させることはできるが、病原菌まで殺せるわけではない」とし「消化器障害や食中毒を起こす細菌がいないか徹底的に検査しなければならない」と話した。ナム・ジョンヨン、パク・ギョンマン記者 fandg@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/464369.html 訳J.S