原文入力:2011-02-14 午後06:53:13(1361字)
オーストラリアは多様性ために公教育化
「正規科目で教えてこそ効果」
ムン・ヒョンスク記者
韓国で講演したロジャー・ダンスコム メルボルン女子大教授
「民主主義がただで与えらているのではないことを市民に悟らせるのが、まさにメディア教育です」
淑明女子大の招待で韓国を訪れたオーストラリアの著名なメディア教育専門家のロジャー・ダンスコム(Roger Dunscombe)メルボルン女子大教授(写真)は11日、民主言論市民連合教育場で開かれた懇談会で、このように力説した。特定社会の産物であるメディアを理解して分析することこそ、21世紀民主市民として、政治・社会意識育成に必ず必要だということだ。
オーストラリアでは、メディア教育が、1992年から小・中・高校の公教育教科課程に取り入れられた。ダンス・会話・視覚芸術などの科目と共に、芸術領域の選択科目に位置している。他国よりメディア教育が先んじた理由は、多人種国家という背景がある。多文化主義を増進するための統合政策を政府が打ち出し、メディアごとに多様な人種が参加して、支配人種の白人の色彩が目立たないように支援してきた。
ダンスコム教授は「メディア教育が正規教科課程に取り入れられるまでには20年かかった。1970年代から熱情的な教師たちの努力で実を結んだ」と明かした。
入試中心に押され、裁量・特別活動や放課後活動に留まっている韓国のメディア教育の現況に対して、彼は首を横に振った。「フランスでも上級学校進学のための勉強が優先との社会的圧力に屈服して、他の正規科目内でメディア教育をしているが、結果は良くなかった」として「ニューメディアとソーシャルメディアなどの文化的含意や日常的に広がる各種メディアと関連した教育は、どの科目よりも重要だ」と強調した。正規科目に取り入れられてこそ、適切な教育効果を発揮できるということだ。
彼の最近の関心は、メディア教育のための教師養成と教材開発だ。オーストラリア・メディア教師連合会ビクトリア州代表でもある彼は、「最近、メディアが芸術領域中、2番目に人気のある科目になりながら、教師の数が非常に不足しており、質の高い教師の養成に努めている」と話した。克服しなければならない難問がないわけではない。政治家のメディア教育に対する無知と無関心がそれだ。政治家がメディア教育の重要性を無視して、財政支援を敬遠しているのだ。
オーストラリアでは、新聞・放送の兼営が法的に禁止されている。しかし、ルパート・マードックが、故郷であるこの国で、新聞・雑誌など出版メディアの大部分を掌握しており、現在、放送進出を目指している。ダンスコム教授は「マードックの悪い点を多くの人々が知っている」として「世論の多様な声のために、教育団体らと政党などが力を合わせて(マードックの攻勢を)防御している」と語った。
ムン・ヒョンスク先任記者 hyunsm@hani.co.kr
写真:淑明女子大提供
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/463342.html 訳M.S