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統長の死を招いた暖房料金‘爆弾’

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/463627.html

原文入力:2011-02-16午前11:17:10(1328字)
住民たちの抗議に自責感…SH地域暖房 問題点噴出
※統長:里の下の住民組織、町会(訳注)
イ・ギョンミ記者、イ・ユジン記者

ソウル、蘆原区のある賃貸アパートで「地域暖房料金が高すぎる」という理由で住民たちの抗議を受けた統長が自ら命を絶つ事件が発生した。地域ではこの事件が突発的なものではなく、地域暖房の構造的問題のためだと口をそろえる。

15日、蘆原警察署によれば、去る12日 中渓1洞のある賃貸アパートで統長として仕事をした○(47)氏が「熱心に働こうと思ってきたがあまりに荷が重い」という内容の遺書を残し自宅で首をくくり亡くなった。

亡くなる数日前に○氏と通話したある区議員は「○氏が家が寒いのでアパート全体世帯に供給する暖房水の温度を上げてくれと管理事務所に要請したが、他の世帯から暖房費が高すぎるとして住民たちに自身の責任を追求されたと言っていた」として「本人には責任がないのにくやしいと訴えた」と話した。

このアパートはSH公社から熱を供給され中央ボイラー室で暖房水を暖めた後に各世帯に送る方式で暖房している。しかし水の温度を1度上げる度に暖房費が大きく上がり、住民たちの嘆願が提起され、管理事務所は暖房水の温度を適正水準より低く維持している。暖房水の温度が低いので住民たちはボイラーをつけても暖かくならず料金ばかりがたくさんかかるという悪循環を繰り返している。(<ハンギョレ> 2010年12月10日付12面)

住民イ・某(54)氏は「一ヶ月の暖房費が15万~17万ウォンかかり、庶民アパートとしては高いほうだが、実際につけても暖かくない」と話した。別の住民も 「地域暖房を使わない近隣の他のアパートは暖房費がここの半分にしかならない」と訴えた。

最近、蘆原区は地域内SH公社が供給する地域暖房を使う81ヶのアパート団地(9万6226世帯)の暖房水温度を調べた結果、適正基準を維持している所は36ヶ団地だけだった。残りの45団地は暖房費負担のために暖房水温度を適正基準より低く維持している。

これはSH公社の暖房費供給単価が韓国地域暖房公社など他の供給業者より高いためだ。蘆原区資料によれば2009~2010年の同地域の世帯別地域暖房使用料金は韓国地域暖房公社より月平均で29%高いことが分かった。ゴミ焼却などにより出てくる廃熱を使う比重が低く、首都圏環境規制などで他の安い燃料より高い液化天然ガスを使っているためだ。

蘆原区の地域暖房改善対策推進団関係者は「SH公社が供給基準と価格を適切に管理するべきだが、そのような役割を果たせずにいる」と指摘した。これに対しSH公社蘆原圏域統合管理センター関係者は「昨年末、各アパートに地域暖房供給管理基準を公文書として送り、今年の暖房料金を凍結するなど暖房問題を改善するために多方面で努力している」と話した。

イ・ギョンミ、イ・ユジン記者 kmlee@hani.co.kr

原文: 訳J.S