本文に移動

"夢も信念も放棄できず"…法曹人、監獄を選んだ

原文入力:2011-02-14午前08:41:52(1683字)
司法研修院を修了したペク・ジョンゴン氏‘良心的兵役拒否’
判検事任用できなくなり 弁護士も出所後 5年‘禁止’
"いつになるかは分からないが少数者の人権ために働きます"

イム・ジソン記者

←ペク・ジョンゴン(26)氏

ペク・ジョンゴン(26)氏のEメールIDは‘lawyerbaek’(ペク弁護士)だ。法学部に通っている時、司法試験を準備しながら作ったアカウントだ。検事を務めた祖父の話を聞き、ペク氏は幼い時から法曹人になる夢を抱いた。2008年に司法試験に合格し、去る1月 司法研修院を修了した。
2月に入り研修院の同期たちは判検事、弁護士、軍法務官など各自の道へ進んだ。しかしペク氏は‘刑務所行き’を選んだ。法務士官候補生の入隊日だった去る10日、ペク氏は入隊の代わりに‘良心的兵役拒否’を宣言した。司法試験合格者としては初めての出来事だ。

兵役法違反により1年6ヶ月の懲役刑を受けることになれば‘法曹人ペク・ジョンゴン’の未来は絶望的になる。判検事任用はもちろん、弁護士登録も出所後5年間はできない。一般企業への就職も難しい。だが、彼は宗教的信念を捨てられなかった。彼は銃を執らない‘エホヴァの証人’信徒だ。

 "私は信念により銃を執らないと誓った者です。銃を執ること以外ならどんな類の代替服務でもやりたいが、現在は方法がないですね。"  12日夕、京畿道高陽市の王国会館で会った彼は洋服にネクタイを締めた端正な姿だった。多くの信徒らが彼の手を握り同病相憐の痛みを分かちあった。「あちらの女性の上の息子さんはこの前出所したし、2番目は服役中でしょう。あの人の兄さんは今 兵役拒否で裁判が進行中ですよ。」ペク氏が淡々と説明した。

2月現在、良心的兵役拒否で1年6ヶ月の刑を宣告され服役中の人は全国に955人いる。良心的兵役拒否者が処罰を受けることになって以来、最も多い数字だ。去る半世紀の間、1万5000人余りが銃を持つことを拒否し監獄に行った。

ペク氏にとって軍服務は生きて行く上で最大の悩みだった。兵役免除を受けようとして中学校3年の時、自主退学もした。司法試験をあきらめるかも悩んだ。その度に「自分に恥ずかしくないように生きろ」という祖父の言葉を再確認した。盧武鉉政府の時‘国民との対話’に出て行き「良心的兵役拒否を準備している」と話したところ、大統領がペク氏の手を握り「頑張れ」と言い、しばらく希望を持ちもした。

だが、李明博政府になり代替服務制導入は無期限延長され、その頃に研修院に入ったペク氏は‘成績が良くても判検事はもちろん弁護士としても生きるのは難しい’という思いで反復的なスランプに苦しめられたという。

研修院で会った法曹界の先輩たちも彼の将来を強く憂慮した。「法務官は4週間の軍事訓練だけだから、ひとまず入隊した後の射撃訓練だけ外してくれとお願いしてみなさい」という助言から、「あなたの信念に同意することはできないが、信念を守ろうとするあなたを尊重する」という激励も多くもらった。一部先輩と同期たちは「私たちが弁護団を構成する」と応援したし、ある検事の先輩は「お前をどうして起訴できるだろうか」としてため息をついた。

入隊日だった10日、彼は海岸で日没を眺めながら「自分に勇気をください」と祈った。「どうして怖くないことがありますか。研修院時期に刑務所見学もしたけど…」 彼は今後、裁判がどれくらいかかるのか、いつ頃 服役を終えられるのか分からないが、将来への思いははっきりしていると言った。「いつになるかは分からないが、公益弁護士グループ共感のように少数者の人権のために熱心に飛び回る弁護士として生きていきたいです。」 イム・ジソン記者 sun21@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/463248.html 訳J.S