原文入力:2011-02-11午後07:49:17(1507字)
84年被害者死亡したが「罰金刑」に終わったミステリー
検察「拘束され…最高7年可能」チョ庁長「家族と合意 参酌されて」
「道徳不感症」辞退要求殺到
イ・グンヨン記者
←チョ・ソクチュン気象庁庁長
9日に就任したチョ・ソクチュン(57・写真)新気象庁庁長が、過去に飲酒運転で死亡事故を起こしてひき逃げをした「前科」があるという事実を、大統領府が事前に知っていながら任命を押し切ったことが、11日明らかになった。これに対し野党は「大統領府が重大犯罪経歴者を高位公職者に任命する道徳不感症をまた示した」として「チョ庁長は自主的に辞退せよ」と要求した。
この日のチョ庁長と大統領府関係者などの話を総合すると、チョ庁長は <韓国放送>(KBS)気象専門記者を務めていた1984年6月ある日の夕方、会社同僚らとソウル汝矣島で酒を飲んだ後、自身の車を運転して家に行き、人をはねて死亡させる事故を起こした。チョ庁長は当時、事故を起こした事実を知らずに帰宅して、警察が事件現場で拾った自動車検査証書を持って家に訪ねてきた後に、自身が飲酒死亡事故を起こした事実を知ることになったと明らかにした。 彼は「被害者家族と補償金500万ウォンで合意した後、裁判所で罰金刑を受けた」と説明した。
この事実を大統領府に伝えたかについてチョ庁長は「大統領府側が(自身が話す前に)すでに知っていた」と話した。大統領府関係者もこの日「事前に把握していた懸案で本人の弁明も聞いた」として「かなり以前ことで、本人がそのことで会社に辞表まで出しただけに代価を払ったと見なしている」とこれを認めた。チョ庁長は「事故を起こしたため、責任を負って3ヶ月後に自ら会社を辞めた」として「その間、心の借金を背負って生きてきたが、気象庁長という重要な仕事を引き受けよとの(大統領府)要求を、国民に最後に奉仕するという気持ちで受け入れた」とした。
しかし、国会環境労働委員会所属の野党議員らは、この日、共同声明を出して「現行の '特定犯罪加重処罰法' によれば、飲酒ひき逃げの場合、無期もしくは5年以上の懲役に処する程の重大な犯罪行為に該当する」として「国民の模範にならなければならない高位公職に、重大犯罪者を任命する人事検証基準と体系で、どのように公正な社会を創ることができようか」と問い質した。彼らはまた「チョ庁長は自ら真に痛恨の反省をしたとすれば、最初から公職者の道に出るべきでなかった」として「今からでも辞退するのが当然だ」チョ庁長の自発的な辞退を促した。
飲酒死亡事故にひき逃げまで重なったのに、チョ庁長が罰金刑を受けるだけで終わったことについては、捜査機関幹部さえも疑問を呈している。複数の検察幹部は「当時の基準に照らしても、その程度ならば基本的に拘束で、血中アルコール濃度により7年以上の求刑が可能な事案」としながら「ひき逃げで罰金刑を受けるのは不可能だ」と話した。ソウル中心部の警察署のある幹部も「その当時は死亡事故をより一層厳しく処罰する時代だったので、飲酒ひき逃げに死亡事故ならば拘束される」と話した。
しかしチョ庁長は「当時被害者家族と合意した状況などが情状酌量されたため」と釈明した。
イ・グンヨン先任記者、キム・テギュ、ソンチェ・ギョンファ記者 kylee@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/463025.html 訳M.S