原文入力:2011-01-31午後09:35:04(2625字)
旧正月連休が一層寒い‘路上の庶民たち’
イム・ジソン記者
31日朝、ソウル、九老区、九老3洞、南九老駅近隣の人材事務所前を日雇い労働者たちが歩いている。 こちらには10ヶ所余りの人材事務所が密集しているが、最近の寒い天候のために仕事が大幅に減っている。
瑞草区庁 38ヶ所 奇襲撤去
商人10人余り 骨折など負傷
抗議し焼身企図も
ソウルの気温が零下13度まで下がった去る30日午後4時頃、地下鉄 江南駅6番出口前で3年間にわたり映画DVD露店を営んできたチェ・ミョンファン(45)氏は寒さに凍えた指をもんでいた。その瞬間、瑞草区庁のロゴが描かれたトラックが路肩に停まった。 数十人が彼の屋台に押し寄せた。 奇襲撤去だった。 屋台を守ろうと必死に抵抗した彼の歯ぐきから血がにじみ出た。
一日後の31日午後1時55分、チェ氏は瑞草区庁4階の道路管理課事務室で全身にガソリンをふりかけた。手にはライターが持たれていた。 「やめろ、やめろ!」 彼とともに瑞草区庁を抗議訪問した30人余りの商人らが駆け寄りライターを奪った。午前10時頃、一度 焼身を試みたチェ氏は結局気を失い倒れた。
「死のうと思いました。 商品も露店も全て壊れ、一文無しで名節を祝えとは…。」 意識が戻ってもチェ氏は話を次ぐことはできなかった。 「何の対策もありません。健康が良くなく肉体労働もできないので始めた露店なのに…。」 チェ氏は糖尿と高血圧でよく見えない右目を摩っていた。 指の間から水気が流れた。
30日、瑞草区庁建設交通局道路管理課職員20人と用役業者職員50人(商人側推算 100人)が江南駅6番出口前の38ヶの露店を奇襲撤去した。 この過程で10人余りの商人が大小の負傷を負った。 6年間 こちらでイヤリングを売ってきたチョ・ソンユン(30)氏は左足首と右手首を骨折した。5ヶ月の娘を持つチョ氏は 「通帳の残高も殆どないのに、幼い娘を連れてどのように暮らせばいいのか、あてもない」 と話した。
31日、商人たちは瑞草区庁を訪ね酷寒に行われた強制撤去に荒々しく抗議した。3年間、ギョーザ露店をしてきたソン・ガプソン(48)氏は「区庁が旧正月を控えた日曜日に、それもチンピラを雇ってまで押しかけられるのか」 として絶叫した。キム・ユシン(39)瑞草区商人会会長は「道の向かい側の江南区庁で管轄する地域の露天商らは区庁と議論し、仮屋台提供などの対策を用意した」 として「瑞草区庁は最小限の対策もなしに商人を頑として追い出している」 と主張した。
瑞草区庁道路管理課パク・ジョンウ主任は 「昨年11月、主要20ヶ国(G20)首脳会議頃から撤去戒告状を送り、警告放送もしてきた」 として「去る27日、1次撤去の試みが失敗したが、30日が旧正月を控え整備に最も適切な時点だと判断した」と話した。 パク・ポミ、イム・ジソン記者 bomi@hani.co.kr
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新設洞の人材事務所へ行ってみると、寒波で仕事が減り日雇い ‘見通し暗し’
一日70人中20余人 徒労… "ご両親への贈り物 どうやって買えば…"
旧正月連休を2日後に控えた31日明け方5時30分頃、作業靴を履き分厚いジャンパーを着た50人余りがソウル、東大門区、新設洞駅近隣のK人材事務所に集まった。彼らは事務室職員に人的事項と希望業種などを言った後 順番を待った。タバコを吸ったり同僚と話をする人々もいたが、事務室内の雰囲気は重かった。
広津区、広壮洞の建設現場に行くというチェ・某(35)氏はジーンズに革ジャンバーを着ていたが普通の靴を履いていた。 2ヶ月前まで中小企業の職員だった彼は、会社の事情が難しくなり辞職願いを出し建設職に飛び込んだ。まだ家族には退職の事実を知らせてなく、カバンの中に荷物をこっそりと入れ朝早くに家を出ると言った。チェ氏は 「旧正月なのにご両親に贈り物でもしようと思えばこまめに稼ぐしかないじゃないですか」 と話した。
しかし寒天に建設景気までが凍りつき働き口探しは容易ではなかった。 この日、人材事務所を訪れた人々がすべて仕事を見つけていくわけではなかった。
「龍仁 乗ってください!」 という声に、キム・某(46)氏が事務室から出て乗合車に乗った。他の日雇い労働者7人も彼とともに出発した。 龍仁のアパート建設現場へ行く人々だ。キム氏は「長距離へ行けば日当が1万~2万ウォン程多くて、仕事をする人々が好む」として「この頃は仕事が減って乗合車の数が半分に減った」 と話した。キム氏の話のとおり、この日 明け方一時間余りの間に乗合車は3台しかいなかった。 ソウル、三成洞の建設現場に行くというパク・某(55)氏は 「事務室内にまだ30~40人が残っている」 として「今年は天気も寒くて仕事が出来る現場が一層減った」 と話した。
「ウ~寒っ。」 朝6時30分を過ぎ、仕事場が見つからなかった20人余りの人々が事務室を出て散って行った。 事務室前に残った数人は互いに目も合わさずタバコを吸っていた。キム・某(42)氏は「正月連休のためか、今日は仕事がはやく無くなった」と言った。 キム氏は人材事務所の向い側のコンビニで、おにぎりとカップラーメンで朝御飯を済ませた。 この日、朝の気温は零下12度だった。
一方、ソウル、鍾路警察署は道に停まっていた車を盗んだ疑惑(窃盗)でイ・某(44)氏を拘束したとこの日明らかにした。 イ氏は去る28日夕8時50分頃、ソウル、鍾路区、苑西洞に停められていたチェ・某(51)氏のカレンス乗用車を盗んだ疑惑を受けている。イ氏は「旧正月がくるのに働き口もなく、寝る所も良くなく、刑務所へ行けば睡眠も食事もとれると考えた」と話した。警察による調査の結果、イ氏も3日前までは明け方に東大門人材市場で仕事を斡旋され仕事をした後、夜は貸し漫画屋やサウナで暮らしていた日雇い労働者だった。 文・写真/パク・テウ記者 ehot@hani.co.kr
原文: 訳J.S