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マニュアルなき‘ワクチン’以後 口蹄疫 農家 混乱 深刻

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/460797.html

原文入力:2011-01-26午後09:04:19(1664字)
選別埋没後、再感染続出…防疫規則 遵守 あつれきも

キム・ヒョンデ記者、オ・ユンジュ記者

政府が全面的な予防薬(ワクチン)接種を施行する中で、あらかじめ準備されたマニュアルなしでその場その場の対処に終始し、各地で混乱が起き、口蹄疫被害も拡大している。政府はソル(旧正月)連休時に畜産農家訪問自制などを訴えながらも防疫対応失敗に対する反省や農民に対する謝罪もせず「責任を頬かむりしている」という批判が出ている。

忠北地域のある豚農場主は26日 「何日か前に口蹄疫が発生し感染した家畜だけを間引いて埋めたが、昨日また口蹄疫にかかった豚が出た」として「とうてい耐えられないので農場の豚を全て埋没してくれと言ったが、自治団体では‘上からの指示なのでそうはできない’と言った」と訴えた。国民健康のための獣医師連帯のホン・ハイル獣医師もこの日、チョン・ボムグ、リュ・グンチャン、ホン・ヒドク議員らが国会議員会館で開いた討論会で、口蹄疫感染家畜を埋没処分した数日後に他の豚からの口蹄疫追加発生が確認された京畿道、利川地域のワクチン接種農家の具体的事例を発表した。

農林水産食品部は去る20日からはワクチン接種後、抗体形成期間の14日が過ぎた農場から口蹄疫が発生した場合には感染家畜だけを埋めるようにしている。畜産現場の養豚獣医師会は「感染家畜だけ埋めた場合、ウイルスが持続的に排出され該当地域全体を汚染させる恐れがある」として、発生農場の家畜を全て埋没処分する原則に戻すことを建議した。

口蹄疫伝播の主因に指定された飼料車両らがワクチン接種以後には口蹄疫発生農家と非発生農家を厳格に区分しないまま広く動き回る事例も少なくないと伝えられた。

ワクチン接種以後のこういう混乱は政府が一貫したマニュアルなしに‘全面ワクチン接種および埋没家畜最小化’政策へ突然旋回したことが招いたということが専門家たちの指摘だ。その上、ワクチン接種後にも清浄国地位を維持できるという李明博大統領の‘ワクチン万能論’も影響を及ぼしたものと見られる。

キム・ジェホン ソウル大教授(獣医学)はこの日、国会農食品委員会などが国会で開いた討論会で 「年中ワクチン接種をする国が清浄国になるには2年間にわたり口蹄疫発生があってはならず、最近1年間は口蹄疫ウイルスが存在しないという事実を立証しなければならない」としてワクチン接種にともなう難関を指摘した。‘ワクチンを接種した後に口蹄疫感染家畜を区分することができる’という政府主張に対し、キム・チョルジュン忠南大獣医大学長は 「厳格に選び出すことは難しい」と話した。

農食品部は最近、埋没家畜補償金の先支給分50%を‘防疫規則遵守可否を確認した後に支給しなさい’という公文書を自治団体に送った。仁川市などが一部農家に先支給金の支給を保留すると農民たちが不満を爆発させている。忠北、提川市が移動制限命令に違反したとし農民を警察に告発し農民が反発するなど摩擦もかもしている。

それでもメン・ヒョンギュ行政安全部長官とユ・ジョンボク農食品部長官が26日に発表した共同対国民談話文でも、政府の‘自己反省’が抜け落ちたという批判の声が起きている。李明博大統領の24日のラジオ・インターネット演説、キム・ファンシク国務総理の翌日の閣僚会議発言にも、政府の失策を痛感する内容はなかった。全国農民会総連盟は声明を出し 「初期対応失敗に対する反省でも、子供のように育てた家畜を土に埋めて流した農民の涙に対する謝罪は見当たらなかった」として‘2長官を交替させイ大統領が国家非常事態を宣言すること’を促した。

キム・ヒョンデ先任記者、清州/オ・ユンジュ記者 koala5@hani.co.kr

原文: 訳J.S