原文入力:2011-01-24午後08:29:40(2458字)
②福祉財源準備方案
経済分野 支出過度…予算優先順位の調整を
増税方案は多様…‘租税抵抗’克服が課題
アン・ソンヒ記者
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民主党など野党が主張する‘普遍的福祉’のためには相当な規模の財源が必要だ。 どの分野まで、どの水準まで福祉恩恵を拡大するかにより所要予算は変わってくるが、野党の推算に従っても最小16兆ウォン、多くて20兆ウォン以上のお金が必要なことは事実だ。普遍的福祉を主張する側が掲げる財源準備方案は大きく2種類に分かれる。‘支出構造改革’と‘増税’だ。‘支出構造改革’は既存の予算と税金減免恩恵の中で不必要な部分を減らそうということだ。 ‘増税’は新たに税金を作ったり既存税率を引き上げ税金をさらに集めて福祉側に使おうということだ。
■ 予算・税金浪費 減らせば…我が国の予算の中で他の先進国に比べ比重が高い分野は社会間接資本(SOC),研究開発(R&D),産業・中小企業・エネルギー、農林・水産・食品など経済分野と国防分野だ。これに反し、福祉分野は比重が顕著に低い方だ。コ・ヨンソン韓国開発研究院財政社会政策研究部長は「経済分野支出は経済協力開発機構(OECD)平均と比較して過度な方」としながら「社会間接資本も今は十分に拡充されただけに縮小していく必要がある」と話した。民主党政策委は予算優先順位の調整を通じて7兆~8兆ウォンの財源を確保することができると主張した。例えば4大河川事業(今年9兆ウォン、来年3兆3千億ウォン),政府広報性予算、機関長特殊活動費などを減らすということだ。
原則は単純だが現実には簡単でない。政府も社会間接資本分野を減らすという方針だが、昨年末の‘紙切れ予算’波動に見るように政界は与野党の別なく道路建設予算に執着している。研究開発分野も‘未来成長動力確保’という名分があり、農林・中小企業側もやはり‘経済的弱者’という点を前面に出せばメスを突きつけるのが容易でない。国防費削減は南北分断という現実のために進歩陣営でさえ持ち出すことに慎重だ。しかも今年も国の借金(国債)を21兆ウォンも発行しなければならない程‘赤字予算’を組んでいるという点も障害物だ。財政部予算室関係者は「4大河川予算を福祉側に回そうというが、4大河川事業が終わればそれだけ国債発行を減らすべきで、全て福祉に回すことができるわけではない」と話した。
非課税減免(租税支出)規模を縮小する方案も議論されている。‘非課税減免’は所得控除等を通じて税金を割り引くことで、減免規模が年間 31兆3千億ウォン(今年暫定分)に達する。民主党はこの内 2兆5千億ウォンを減らし福祉財源として使うという立場だ。代表的なものとして臨時投資税額控除(1兆4千億ウォン)は少数の大企業に恩恵が集中しており廃止第1順位に挙げられる。
だが、非課税減免もやはり項目ごとに利害関係者があり、大部分‘脆弱階層支援’のような名分を持っており大幅縮小が容易ではない。財政部税制室関係者は「勤労者・中小企業・農民などいわゆる脆弱階層関連項目が全体の70~80%に達する。縮小を検討できる部分は10ヶ項目、5兆ウォン程度だ」と話した。
■ 金持ち減税を撤回すれば…民主党が前面に掲げる方案の一つは‘金持ち減税撤回’だ。来年施行予定の所得税・法人税2段階減税案を撤回し、福祉財源を用意しようということだ。 2段階減税規模は財政部推算で毎年3兆7千億ウォン(所得税5千億ウォン、法人税3兆2千億ウォン)だ。 だが、これに対しては「当然必要な措置だがこれは福祉財源の減少を防ぐというだけで財源を追加確保するものではない」(ユン・ジョンフン市民経済社会研究所企画委員)という指摘が出ている。
もし、すでに施行中の減税措置まで撤回する場合には相当な規模の財源ができることになる。李明博政府が2008年に断行した大規模減税(所得税・法人税・総合不動産税など引き下げ)を盧武鉉政府水準の税率に回復させれば毎年20兆ウォン内外の税収が増えるためだ。だが、すでに施行された減税を戻すのは事実上の‘増税’と同じで、反発が少なくないことが明らかだ。
■ 増税をすれば…増税を主張する側は支出構造改革だけでは‘普遍的福祉’に必要な財源を全て用意するのは難しいと見ている。オ・ゴンホ社会公共研究所研究室長は「支出改革を通じて確保できる財源は最大10兆ウォン程度になると見る」とし「‘福祉らしい福祉’をしてみようとするなら‘支出改革’と‘増税’の両輪で行くことが必要だ」と主張した。
増税方案は最近多様にあふれている。(表参照)イ・ジョンヒ民主労働党代表は、所得税・法人税の最高税率区間新設を、チョン・ドンヨン民主党最高委員は‘富裕税’を、チョ・スンス進歩新党代表は‘社会福祉税’を主張している。各々8兆3千億ウォン、7兆8千億ウォン、15兆ウォンずつ税収が増える。こういう方案が高所得者と大企業だけを対象にする‘金持ち増税’である反面、一部進歩陣営では普遍的福祉の正当性確保のために中産層と庶民までを包括する‘普遍増税’をしなければならないという主張も出ている。
増税方案の最も大きな問題点はやはり‘租税抵抗’だ。財政部高位関係者は「最近国民の福祉に対する要求が大きくなっているが、そのために追加で税金を出すという意識は相変らず低いのが現実」とし「高負担-高福祉をするのか、低負担-低福祉をするのかは結局、国民が選択する問題ではないか」と話した。
アン・ソンヒ記者 shan@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/460399.html 訳J.S