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危険千万…ヒヤヒヤした

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/459959.html

原文入力:2011-01-21午後10:46:43(1441字)
軍 未明の奇襲 機敏な作戦
ソク・ヘギュン船長の機知も大きな助け
‘船員避難所’なく 犠牲甘受
化学物質が積まれ爆発の危険も
失踪した軍の名誉 回復の機会
イ大統領 政治的伏線も背景に

イ・ヨンイン記者、クォン・ヒョクチョル記者

作戦は大成功だった。18日に行われた1次救出作戦が失敗した後、海賊らの警戒が強化された状況で船員全員を救出し、作戦に出た軍将兵らも1人も負傷しなかったことは完ぺきに近い。青海部隊指揮官でありチェヨン艦艦長のチョ・ヨンジュ大佐は21日未明、ソマリア港を発った海賊母船が三湖ジュエリー号に接近しているという報に接し、海賊母船が三湖ジュエリー号の海賊らと合流する前に行動に出た。特に海賊らが目覚める前の夜明けに奇襲的に艦砲を撃ちリンスヘリコプターを飛ばすことにより海賊らが戦列を整える時間を与えなかった。

また、米軍駆逐艦とオーマン警備艦の支援を要請し作戦区域に配置したことも多いに役に立った。米軍は哨戒機を三湖ジュエリー号上空に出動させ海賊らの動きと海賊母船の動線などを把握しわが方に提供し、オマーンの警備艦も万が一の事態に備えた。

特に今回の作戦の隠れた功労者は三湖ジュエリー号のソク・ヘギュン船長だった。彼は18日、1次救出作戦の時に機知を発揮し船を停船させたことが分かった。1次救出作戦が失敗した後、海賊らの要求に押され船を動かしたが、彼は初めはソマリア海岸とは反対方向に航海を始めた。その後、方向をジグザグに変え、船は一日にソマリア沿岸から100海里も遠ざかりもした。彼はまた、1次作戦の後に内部状況を海運会社へ伝え、チェヨン艦が作戦に出られるようにした。

しかし今回の作戦には多くの危険要素も内在していた。まず三湖ジュエリー号には救出作戦に絶対的に重要な‘船員避難所’がなかったためだ。軍事作戦が予想から少しはずれた場合、多くの人命被害も出しかねない状況だった。三湖ジュエリー号は化学物質運搬船であり、作戦遂行時ややもすれば爆発の可能性も排除できなかった。しかも海賊らはわが軍の1次救出作戦企図以後、神経が極度に鋭敏になっていた。

このような危険を甘受したまま三湖ジュエリー号を対象に救出作戦を繰り広げたのは軍内部の必要性と李明博政府の政治的需要が合致したのではないかという分析も出ている。

海賊を制圧し人命被害なしに終わる‘劇的な’作戦を遂行すれば、天安艦・延坪島事件などで失墜した軍の名誉を直ちに回復することができるという計算をしたかもしれない。大統領府の‘政務的判断’も一部作用したものと推定される。決然と海賊に対抗した‘国軍最高指令官’李明博大統領の果敢な決断力が浮き彫りになれば政局転換の好機とすることができるためだ。

しかし海賊らの人命被害が少なくなく 「人質らの生命を害しはしない」というソマリア海賊の‘ビジネス不文律’がこわれかねないという憂慮も出ている。海賊らの‘報復心理’が作動し、韓国船舶に対する追加拉致がありえるという分析もある。政府は今後、救出作戦という‘事後対処’よりは予防に主に力を注がなければならないものと見られる。 イ・ヨンイン、クォン・ヒョクチョル記者 yyi@hani.co.kr

原文: 訳J.S