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穴の中で豚があまりの恐怖に悲鳴…土で覆うとすぐ‘…’

原文入力:2011-01-12午後08:06:52(1818字)
[ルポ]京畿道 豚生きうめ現場
フォークレーンにおしやられた生命‘必死の抵抗’
防疫隊員ら "速く速く" 加速に忙しく
ビニール敷かずに十分な盛土作業をしないところも

ナム・ジョンヨン記者

←口蹄疫が発生した京畿道東部のある畜産農家で11日午後、生きている豚をフォークレーンャを動員し土地に埋めている。防疫当局が埋没対象豚の大部分を生きうめしており、2次汚染が憂慮されている。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

去る11日、京畿道のある村。雪に覆われた森の間で、風に泣く芦原のような豚の悲鳴が聞かれた。
どうして分かったのか、畜舎の中の豚たちは墓穴を掘る時から助けてくれと大声を張り上げていた。深さ4mの穴に厚いビニール(遮水膜)が敷かれ、豚たちは列ばされた。フォークレーンは押し寄せ豚は抵抗した。数秒間もがき豚は穴に落とされた。起き上がったものの重心を失いすぐにまた転んだ。すでに穴の中に落ちた豚たちは反対側の壁に集まり呻吟していた。

白い保護服を着た防疫隊員が言った。「今日は250匹を処理します。口蹄疫の拡散速度が速く、最大限迅速に進めなければなりません。」

この村の10ヶ所の畜舎の内 8ヶ所の家畜がこのようにして埋められた。例年行事のように家畜の伝染病が発生しているが、生きうめ慣行は絶え間なく続く。‘人道的殺処分’に対する政府指針もないため、現場では‘速く速く’と叫ぶ。パク・ソヨン動物愛実践協会代表は 「現場では安楽死薬品がないといういいわけをしているが、生きうめはすでに慣行化されている」と語った。

←家畜衛生防疫支援本部職員と公務員たちが11日午後、京畿東部のある口蹄疫発生豚農家で殺処分作業の準備をしている。キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

その上、殺処分薬品として供給される‘塩化サクシニルコリン’も動物の苦痛を和らげるには不十分だ。安楽死用途ではなく筋肉マヒ剤であるためだ。薬品がよく効かない豚の苦痛を減らすには麻酔剤とともに投与しなければならない。

生きうめの慣行は人間が暮らす環境にも悪影響を及ぼす。穴に生きたまま投げこまれた豚は泣き叫びビニールを破る。死体から出た浸出水は地下水に流れ込む。口蹄疫緊急行動指針に従い穴の底にビニールを敷き、1mの土で覆わなければならないが、相当数の現場ではこの過程が省略されていた。その上、埋没後の盛土作業も十分でなく土壌汚染の危険も高まっている。中部地域の豚殺処分現場を見回ったパク・ソヨン代表は「狭い穴にあまりに多い家畜を埋めたために土を少し取りはらっただけですぐに動物の死体が出てくるほど」と話した。

環境部は2008年にソウル市立大産学協力団に依頼し‘家畜埋没にともなう環境汚染 管理方案’報告書をだした。家畜伝染病にともなう体系的環境管理システムはまだ‘ヨチヨチ歩き水準’である。報告書によれば、2008年 忠南、天安の家畜埋没地周辺土壌のアンモニア性窒素成分が対照地域の約80倍水準で検出され、地下水の電気伝導度数値も農業用水基準を超えていたことが明らかになった。京畿道保健環境研究院が最近、漣川・坡州など7ヶ市・郡の埋没地周辺地下水55件を調査した結果、8件が適合しないことが分かった。

豚は地中に埋められると すぐに泣き声が小さくなり周囲は静かになった。防疫担当者たちは "許されないこと" と言いながら席をはずした。国際動物保護団体の‘世界営農に対する憐憫’(CIWF)は去る11日 声明を出し 「国際動物保健機構(OIE)の人道的殺処分指針を守っていない」として韓国政府を批判した。国際社会の非難も例年行事のように起きている。
国民14人当り牛1頭、4人当り豚1頭、5人当り鶏4羽が私たちとともに生きている。チョン・ジンギョン動物保護市民団体‘カラ(KARA)’理事は「動物たちを躊躇いなく生きうめにする行為への反省がないならば、今後も状況は何も変わらないだろう」と話した。

ナム・ジョンヨン記者 fandg@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/458454.html 訳J.S