原文入力:2010-10-31午後08:32:24(2091字)
ポペラ(訳注:POP調オペラ))歌手たちの歌、スーツ姿の職員がワイン渡し
"派遣職の販売職員らは延長手当ても受け取れず"
イム・ジソン記者
←ソウル、瑞草区の新世界デパート江南店‘ナイト パーティー’でモデルたちが名品ブランドの新商品を紹介している。
10月29日午後7時、ソウル、瑞草区の新世界デパート江南店は金曜日をむかえショッピングに出た人々でとても混雑していた。1階のある名品売り場前には売り場に入るための人々が長く列をつくった。スカーフと手袋などを割引販売する売台の前には人々が互いに押し合いながら商品を見物していた。デパートが門を閉める8時を控えて足取りが慌ただしかった。
だがこの日、新世界デパート江南店1階と2階の派手な照明は10時を越えても消えなかった。午後8時から10時まで新世界デパート江南店がVIP顧客にだけ招請状を送った‘ナイト パーティー’が開かれたためだ。江南店は新世界デパートの最上位VIPの半分が利用する重要支店でもある。
午後9時、デパート内には男性ポペラ歌手たちが直接歌う‘ムーンリバー’の旋律が鳴り響いた。1階中央廊下では名品ブランドの新商品を着けたモデルらちがファッションショーを繰り広げた。2時間前、お客さんたちが列をつくっていた名品売り場はもう閑静としていた。2階に上がるとすぐにスーツを着た職員が近寄ってきてスパークリングワインを渡す。一方では名品カバン、デパート商品券などをかけてイベントが進行中だ。2時間違いなのに同じ空間は別世界だ。
最近、新世界デパート江南店は各ブランド別VIP顧客2千人にだけ‘スペシャル ナイト インビテーション’という名前の茶色い招請状を発送した。新世界開店80周年を記念して名品売り場が並んでいる1階と2階を夜10時まで開き‘特別なショッピング’に招くという内容だった。ジャズ コンサート、名品ブランド ファッションショー、名品カバンを賞品に賭けた各種イベントなどVIPオーダーメード行事も公示された。このような知らせは一般顧客には公示されなかった。ただし、当日デパートに来て行事を知ることになった場合、入場を阻むことはなかった。
派手な行事の裏面には‘労働搾取’が隠れている。デパート側は2時間の‘ナイト パーティー’に3千万ウォンほどの予算を注ぎ込んだと知られた。だが、販売職員たちは夜勤手当てさえ受け取ることができなかった。デパート1階のある販売職員は「9時30分に出勤し後整理が終わる10時30分まで13時間を立って勤務し足が痛くてとても大変だ」として「それでも延長勤務に対する夜勤手当ては全く受け取ることができなくて頭にくる」と話した。勤労基準法56条は使用者が延長勤労に対し通常賃金の150%以上を支給するように定めている。
デパートが‘ナイト パーティー’を開けば、否応なく延長勤務をしなければならない販売職員らは、90%以上が該当ブランド所属の派遣労働者たちだ。江南店のある販売職員は「一週間前の朝会の時、デパート側からナイト パーティー日程を一方的に通知された」として「いくつかの売り場にも火が消えていたり職員がいなければ、VIP顧客たちに見た目が悪いので全員に10時まで立っていろということ」と話した。名品売り場のある職員は「賃貸売り場の私たちの立場としては、行事をしたくなくてもデパートが強要すれば営業しなければならない」として「ナイト パーティーはデパート イメージのための行事に過ぎない」と話した。
イ・ミスク民主労総サービス連盟流通文科エスティローダー支部長は「最近一部デパートは売り上げ欲しさに‘ナイト パーティー’を毎月一回ずつ開いたりもしている」として「大部分が派遣職の販売職員たちは夜勤手当ても受け取れずに休息も取れないまま搾取にあっている」と指摘した。イ支部長は「民主労総サービス連盟が1年続けて‘デパート延長営業反対’宣伝戦を広げているが、デパートらは年末シーズンが近づき延長勤務を拡大している」として「特に労働組合がない新世界の場合、最も先頭に立って延長勤務の拡大を実施している」と批判した。
これに対し新世界デパート広報室は「ナイト パーティーはデパートと売り場の間で合意し進行している行事で、販売職員らはデパート所属職員らと違って手当てと関連した問題に関与することはできない」とし「代わりにデパートはこれらのためにおやつを準備するなど最善を尽くしている」と話した。また「ナイト パーティーや週末30分延長勤務などは全て各支店の不定期的なイベントであり、本社の政策とは関係がない」と解明した。イム・ジソン記者 sun21＠hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/446399.html 訳J.S
