第20代大統領選候補時代に虚偽の事実を公表した疑いで裁判にかけられた尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が、一審で執行猶予付きの懲役刑を言い渡された。この判決が確定すれば、尹前大統領の当選は無効となり、前与党「国民の力」は大統領選の際に国庫から補填された選挙費用397億ウォン(約44億円)を中央選挙管理委員会に返還しなければならない。
ソウル中央地裁刑事21部(チョ・スンピョ裁判長)は27日、公職選挙法違反の疑いで起訴された尹前大統領に対し、懲役1年6カ月、執行猶予3年を言い渡した。尹前大統領の懲役刑の執行猶予が最高裁でも維持されれば、「国民の力」は397億ウォンを中央選挙管理委員会に返還しなければならない。韓国の選挙法に基づき、大統領選の候補者が当選するか、15%以上の得票率を獲得すれば、中央選挙管理委員会から選挙費用の全額を補填されるが、当選無効刑(罰金100万ウォン以上)を言い渡され、それが確定すれば、政党はこれを全額返還しなければならない。最高裁の判決は早ければ来年1月に出る見通しだ。
裁判所は、ミン・ジュンギ特別検察官チームが公訴事実で提起した尹前大統領の発言をすべて虚偽事実と判断した。裁判所は、尹前大統領が2021年12月の寛勲クラブ招待討論会で、「2012年に収賄容疑で警察の捜査を受けていたユン・ウジン元龍山税務署長に、(大検察庁重罪捜査部出身の)イ某弁護士を紹介したことはない」と虚偽の事実を述べた容疑について、有罪を認めた。また、2022年1月17日の仏教リーダーズフォーラム発足式のインタビューで、「『コンジン法師』ことチョン・ソンベ氏を党関係者から紹介され、配偶者のキム・ゴンヒ氏と共に会った事実はない」とした発言も、虚偽だと判断した。
尹前大統領の弁護団は判決直後に声明を発表し、「特検チームの一方的な主張をそのまま写したような判決」としたうえで、「公職選挙法上の虚偽事実公表罪の判断において最も重要な『発言の全体的な意味と趣旨』に関する最高裁の判例の趣旨にも合致しない」として、控訴する意向を明らかにした。