原文入力:2010-07-20午後07:52:25(1477字)
一部団体 "避けられない教育的措置" 主張にかかわらず
"暴力に変わりやすく全面禁止が優先" 指摘
ソウル市教育庁が来る2学期からソウル市内すべての学校で体罰を全面禁止することに方針を定め、韓国教員団体総連合会(韓国教総)等の一部団体が "体罰は避けられない教育的措置" とし反対の意向を明らかにするなど、体罰を巡る長年にわたる古い論争が再燃している。しかし暴力に近い教師の体罰が反復される理由は、教育当局が‘体罰規定’等を通じて体罰を許容してきたためという声が強い。
現在、我が国には体罰を禁止する法規がない。‘小・中等教育法施行令’には "教育上、避けられない場合を除き生徒に身体的苦痛を加えない訓育・訓戒などの方法で(懲戒を)行わなければならない" とされている。教育界ではこの規定を‘教育的な体罰’を許容する法的根拠と解釈している。
韓国教総は20日、声明を出し 「すべての教育的方法を動員しても生徒が正しい道に戻らない時に行われる学校規則に決められた客観的妥当性を備える体罰さえも許されないならば、教師は学生指導を放棄する他はない」と明らかにした。‘学校を愛する父母の集い’も声明を通じ 「暴力と体罰は区分されなければならない」 とし 「教育上、体罰が避けられない場合、両親のような気持ちで体罰を行う教師を恨む父母はいない」と体罰の必要性を認めた。
憲法裁判所は2006年△体罰は‘教育上、避けられない場合’にのみ行われなければならず△体罰の手続きを遵守しなければならないなどの‘体罰許容基準’を発表した経緯がある。これに伴い、教育科学技術部は今まで憲法裁判所の判例などを基準として一線学校が自律的に‘教育的に避けられない体罰’の内容を規定するよう指導してきた。
これに対し、パク・ブヒ‘正しい教育のための全国父母会’相談室長は「体罰と暴力を区分しなければならないというが、感情的な体罰が暴力に変質することはあまりにも容易で頻繁に起きる」とし「体罰規定を通じて体罰を例外的に許容するということは結局、体罰を日常的に行う教師たちに暴力教師になる可能性だけを開いてあげるという点で、体罰の全面禁止が必要だ」と話した。
オム・ミニョン全国教職員労働組合スポークスマンは「体罰規定を作っておいても体罰による生徒と教師の被害は反復的に発生している」として「体罰に対する論争はすでに十分になされてきただけに、これ以上 議論をしようということは問題を解決しないということと同じ」と批判した。
これに伴い、どんな体罰も正当化されることはできないという原則を立てることが必要だという指摘が出ている。大韓小児青少年精神医学会は去る19日に出した声明で 「教師の反復的な感情的暴力は児童福祉法に記述された‘児童虐待’に該当する」とし「自分の主張が強くなる子供たちに教師が賢明に対応できるマニュアルを作り、再教育を実施することをこれ以上遅らせることはできない」と明らかにした。
キム・ヨンホ ソウル市教育庁奨学官は「体罰全面禁止は暴力から生徒と教師を共に保護する措置であり、したがって生徒指導が難しくなることはありえるが、これが教権を侵害するという主張には同意できない」と話した。
チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr
原文: 訳J.S