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統一部、北朝鮮のキム副部長の「南北関係改善は空しい夢」発言に「長い目で見る」

登録:2025-08-15 06:51 修正:2025-08-15 07:52
「敵対的二国間関係」が北朝鮮の憲法に反映されていないことを初めて言及
キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長は、「米国の忠実な手下で、忠実な同盟国である韓国との関係を改善する意志は全くない」とし、「この結論的な立場と見解は今後、我が国の憲法に固着されるだろう」と述べた。

 キム副部長は14日、朝鮮中央通信で発表した「ソウルの希望は愚かな夢に過ぎない」という題名の談話で、このように語った。キム副部長は韓国について「最も敵対的で脅威となる勢力」であり、「世の中で最も敵対的な国家」としたうえで、「我々(北朝鮮)の認識の変化を期待したり占ったりするのは、砂漠で花が咲くことを願うこと(と同じ)」だと主張した。そして、南北関係改善への期待は「空しい『夢』」に過ぎないと激しく述べた。

 特に、「我々は南部国境線に配置した拡声器を撤去したことがない」とし、北朝鮮の「韓国向け拡声器の一部撤去動向を把握した」という9日の合同参謀本部(合参)の発表について、「卑劣な欺瞞劇」だと非難した。しかし、イ・ソンジュン合同参謀広報室長は、「北朝鮮は事実でない内容を主張することもある」とし、従来の情報判断を「維持する」と反論した。

 キム副部長は12日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がロシアのウラジーミル・プーチン大統領との電話会談で、米国側に北朝鮮側の意見を伝えてほしいと言った可能性があるという韓国メディアの報道について、「憶測」であり、「荒唐無稽な夢」だと非難した。さらに「朝米首脳間の個人的な親交関係が政策に反映されることはないだろう」とし、「米国と向かい合って座るつもりはない」と一線を引いた。

 今回の談話はキム副部長が7月28日付でそれぞれ発表した対韓国・対米談話の戦略的基調と変わらない。問題は談話発表の時期だ。李在明(イ・ジェミョン)大統領の光復節記念演説(15日)、米ロ首脳会談(15日、アラスカ)、韓米合同軍事演習(UFC、18~28日)、韓米首脳会談(25日ワシントン)など北東アジア情勢に影響を及ぼす重要日程を控え、「非核化交渉はない」という北朝鮮の公式方針を重ねて強調し、圧力を加えるための談話だといえる。北朝鮮当局は今回の談話を「人民必読メディア」である労働新聞には掲載しなかった。ひとまず「外交的シグナル」の発信に焦点を合わせたわけだ。

 注目すべき「新たな事実」は、金正恩委員長が2024年1月15日の最高人民会議で指示した「敵対的二国間関係」を憲法に明記する作業がまだ行われていないことを初めて公開的に示したという点だ。これについては、二通りの解釈が可能だ。まず「今後、我が国の憲法に固着する」という表現から、来年1月に予想される労働党第9回大会後に開かれる最高人民会議で「敵対国関係」憲法明記を予告したものとみることができる。また「憲法に反映されていない」ことをあえて言及したところに注目するなら、今後南北関係が「敵対性の緩和」へと進む余地を残したともいえる。

 統一部は「毅然とした態度で長い目で見てアプローチする」とし、「政府は南北関係が互いに役立つ関係に転換できるよう、今後も『正常化』と『安定化』措置を一貫して進める」と述べた。

イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1213274.html韓国語原文入力:2025-08-14 15:01
訳H.J

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