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内部報告書さえ "コンテンツ 質 下落" …ニュース評価‘最下位’

原文入力:2010-07-06午前11:25:20(2491字)
経営評価団 "1チャンネル 2008年以降 下落傾向"
‘成功・富・一流’一色 ドラマに‘親政権’色彩
視聴者委員会など監視システムも本来の機能できず

[‘公営性危機 韓国放送’集中点検] (下) KBSプログラム品質低下
<韓国放送>(KBS)が公営放送に相応しいコンテンツを作っているだろうか? 相当数の学者と市民・言論団体は "不十分だ" と指摘する。特に現政府になって韓国放送コンテンツに対する論難と不満は以前のどの時よりも多いのが事実だ。

さらに最近出てきた韓国放送内部報告書でさえ、KBSコンテンツの問題点が深刻だと指摘しているほどだ。外部専門家6人と内部委員1人で構成された韓国放送経営評価団が最近出した‘2009経営評価報告書’を見れば、韓国放送コンテンツの危機がよく現れている。

経営評価団が専門調査機関に依頼し全国視聴者1万1千人を対象に調査した結果、1TV全体プログラムに対する品質評価点数は昨年下半期71.3点だった。2008年2分期、3分期に72.4点を記録した1TVチャネル品質評価点数はチョン・ヨンジュ前社長が退いた後、その年4分期に71.9点に落ちた。2009年上半期72.4に回復したが下半期には71.3に急落したのだ。2009年経営評価報告書は 「2008年と2009年 1TVは少しずつ品質評価が低くなる変化推移を確認することができた」と診断した。

2TVのチャネル品質評価は2008年に続き、昨年も1チャンネルと<文化放送>に続き総合順位3位に終わった。

ジャンル別に見ればニュース プログラム品質の墜落が尋常でない。韓国放送のニュース品質が地上波3社中でビリである。2009年下半期 1TVと2TVニュースの品質評価指数は各々70.8点、67.4点だったが、これは<文化放送>(MBC)(72点)はもちろん、商業放送の<SBS>(71.1点)にも遅れをとったわけだ。韓国放送のニュース品質墜落は李明博政府になり加速化している姿だ。チョン・ヨンジュ前社長が退いた時点である2008年3分期に72.4点だった1TVニュース品質評価指数は2008年4分期72点、2009年上半期71.6点などと継続下落した。

←韓国放送1TV・地上波3社 ニュース プログラム品質評価 変動推移

イ・チャンヒョン韓国放送理事は「外部に公開はしなかったが、昨年末に韓国放送放送文化研究所で実施した世論調査や、最近出てきたボストンコンサルティング報告書でも韓国放送の報道公正性が文化放送より遅れをとっているという内容が含まれている」と伝えた。

ドラマなど他のプログラムでも親政権コードあるいは偏向性論難が絶えない。例えば韓国放送は昨年末から富者(‘名家’),巨大商人・企業人(‘巨商 キム・マンドク’‘製パン王 キム・タック’),一流大挑戦記(‘勉強の神),富者秘法(‘富者の誕生’)等、成功と富、一流を強調するドラマを送りだした。現政権の親企業・成功イデオロギーに符合したものではないかという指摘を受ける内容だ。

韓国放送のあるディレクターは 「‘名家’‘巨商 キム・マンドク’等で強調された持てる者たちの‘ノーブレス オブリッジ’は政権色彩との関連性がなくはない」としつつ「色々な経路で入ってきたアイテムの中で、局長が最終決定するが、企画過程で外的要素が作用するということを否認することはできない」と明らかにした。また別のディレクターは「(李明博政府以前)思う存分作ってみろという時と、今の状況は違う。以前より経営陣の表情を伺うことが多い」とし「ドラマ企画方向などと関連してシステムが不透明になったのでディレクターたちの間に不満が多い」と伝えた。

イ・ヨンミ文化評論家は「2年余り前から‘どん詰まりドラマ’が連日連続ドラマ、朝・週末ドラマ時間帯だけでなく夜10時時間帯にまで広がっているが、韓国放送も例外ではない」と指摘した。

事情がこのようだが、コンテンツを監視するシステムはきちんと作動できずにいる。放送法により韓国放送労使は公正放送委員会という機構を置き、毎月1回会議を開いているが、実効性はそれほど大きくないという指摘だ。実際、公正放送委員会から出る色々な指摘が改善されるケースが少ないというのが構成員らの伝言だ。

特に使用側は記者の60%、ディレクターの80%が属した新労組(全国言論労組韓国放送本部)との公正放送委員会設置および運営を頑として拒否している。2007年の受信料引き上げ推進当時に約束した‘公正性指数’開発もイ・ビョンスン社長が関連予算を全て削減し、説明もなく中断されてしまった。韓国放送コンテンツの質的向上のために外部専門家13人で構成された視聴者委員会も有名無実という指摘が少なくない。パク・ヨンソン言論改革市民連帯対外協力局長は「視聴者委員の大多数が保守的人物で構成され、プログラムの公正性などに対する問題提起ができない構造」と話した。

キム・ソジュン聖公会大教授は「最も重要なことは政治権力から独立的な社長任命で、その次は公正報道および製作のための構成員らの自律性保障」としつつ「政権と韓国放送がこれを拒否するなら国民としては受信料拒否など直接行動に立ち向かうしかない」と話した。

これに対してハン・サンドク韓国放送広報局長は「品質評価の母集団自体が少なく点数も1~2点違いで競争会社に比べ劣るとは言えない。社長が変わって見やすくなったという見解もあるだけに、公営性の危機とは見ない」と話した。また「今回の組織改編の時、公営性評価に対する部署を別に設け、研究をしている」と付け加えた。

パク・チャンソプ、イ・ムニョン記者 cool@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/428945.html 訳J.S