原文入力:2010-07-01午後07:31:58(1309字)
科学者ら "アルミニウムではなく粘土" → 合調団 "試料が水分含むせい" →科学者ら "実験の間違い"
ハ・オヨン記者,キム・ミョンジン記者
天安艦、民・軍合同調査団(合調団)の調査結果とこれに疑問を提起する数名の科学者らの間に反論と再反論が行き来し‘科学論争’が加熱している。特に科学者らは合調団が‘魚雷爆発の決定的証拠’中の一つとして提示した爆発物質成分分析結果が単純粘土物質に現れる成分と似ているという意見を提起した。
イ・スンホン米国バージニア大教授(物理学)とカナダ マニトバ大地質科学科分析室長ヤン・パンソク博士は最近<ハンギョレ21>等に送った報告書を通じて「合調団が5月20日に爆発物質だと発表したエネルギー分光器のグラフは、爆発結果の非結晶質アルミニウム酸化物ではない」として「風化作用によって一般的に形成される粘土物質の‘キプサイトゥ’(Gibbsite・水酸化アルミニウム・Al(OH)3)」と明らかにした。ヤン・パンソク博士は「キプサイトゥはペクリョン島近海堆積物からも出てきうる物質で、自然状態で採取して(天安艦のような船の)防火壁材料などとして広く使われる物質」と説明した。
エネルギー分光器分析をすれば元素間比率を通じて該当物質が何なのかを判断できるが、合調団はアルミニウムと酸素の比率が(アルミニウムを1とした時)船体吸着物質0.92,魚雷破片の吸着物質0.9程度で、爆発から生じたアルミニウム酸化物だと明らかにした。しかし二人の科学者はアルミニウム酸化物のアルミニウム対比酸素比率は米国標準技術研究所(NIST)のシミュレーションの結果0.23であり、合調団が提示した比率はキプサイトゥ(0.85)と似ていると明らかにした。
アルミニウムに比べ酸素が過度に多く出るという指摘があり、合調団は6月29日記者協会・言論労組など言論団体を相手にした説明会で 「吸着物質の試料中に(酸素が含まれた)水分(H2O)が40%程度含まれていた」と解明した。
しかし、共同研究者のイ・スンホン教授はこれに対して「エネルギー分光器実験は真空状態でなされるので水分が存在するということはエネルギー分光器実験では有り得ないこと」と再反論した。イ教授は「合調団が話す水分というのはキプサイトゥに存在する水素と酸素を勘違いしたに過ぎない」と指摘した。
試料分析を担当するある民間研究機関のチーム長クラス研究員も1日「エネルギー分光器は試料に電子銃を撃った後に、当たって出てくる電子信号を捕らえる方法」として「試料を真空状態にしなければ電子が試料に到達できない」と説明した。この研究員は「ドライ機等であらかじめ試料を乾かし、そうでなくとも真空にする過程で水分が全て飛んでしまう」と付け加えた。 イ・ヨンイン記者、ハ・オヨン<ハンギョレ21>記者 yyi@hani.co.kr
原文: 訳J.S