原文入力:2010-06-30午後07:15:10(1488字)
無実の市民 車両荒し犯に追いつめて
11時間 手錠かけ 侮辱
ホン・ソクチェ記者
←‘手がつけられない警察’
ソン・某(25)氏がソウル、冠岳区、新林地区隊に連行された時刻は去る21日明け方5時頃であった。11時間後のその日午後4時頃に解放されるまで、ソン氏は「二度と思い出すのもぞっとするような経験をした」と30日打ち明けた。
明け方4時頃、酒にひどく酔っぱらった状態で帰宅したソン氏が、自分の暮らすマンションの一階上隣の部屋を自分の部屋と勘違いしたのが発端だった。鍵が合わないのでソン氏は「ドアをあけてくれ」と玄関のドアをたたいた。隣の住民が誰かが侵入しようとしていると感じ警察に申告した。
だが、警察が来て状況が急変した。到着した警察が1時間余り前にマンションから200mほど離れたところで発生した車両荒し事件の容疑者としてソン氏を指定したのだ。現場に出動した警察官らはソン氏を現行犯で逮捕した。ソン氏が抵抗するや手錠をかけた。ソン氏は「地区隊に到着するや警察が‘なぜ他人の車に入ったのか、このやろう’、‘父親が来なかったら××筒を飛ばしてしまうぞ’等の卑劣な言葉を浴びせた」と主張した。
当時、ソン氏を家の前まで見送った友人キム・某氏が「その時出てきて一緒にいた」とアリバイ(現場不在証明)を提示したが受け入れられなかった。車両荒し犯行当時、容疑者と体当たりした被害者○氏が警察の連絡を受け到着して「(犯人に)間違いなさそうだ」と話したことが事態を悪化させた。
酒に酔い上階の家を訪ねて災難
体中に痣ができ負傷して
"最小限の確認さえすれば…"
ソン氏は 「警察が最初から私を犯人と決めつけて‘車両荒し事件現場周辺で捉えた’、‘逃げるのを追跡し捕らえた’等と話をどんどん変えながら犯罪者扱いをした」と悔しさを爆発させた。当時、被害車両内に見慣れない携帯電話が落ちていたが、それもソン氏がどこかから盗んで持っていたことにされた。疑惑を否認し抵抗したソン氏は手首に痣ができ腰・肘・足首などに負傷した。(写真)
ソン氏は午前10時頃、地区隊から冠岳警察署に引き渡され、午後遅くに解放された。被害者の車両に落ちていた携帯電話の持ち主がその日午後、真犯人として確認された。
新林地区隊関係者は「当時の周辺情況と車両荒し被害者の発言などを総合してソン氏を容疑者と判断した」として「逮捕当時、ミランダ原則を告知したし、調査過程でソン氏に侮辱的な言葉や物理力を行使した事実はない」と明らかにした。
車両荒しの被害者O氏は<ハンギョレ>との通話で「暗かった上に心の余裕がなく犯人の顔をはっきりい見ることができなかった」としつつも「警察が‘犯人を捉えたようだ’と連絡をしてきたので‘そのようだ’と話した」と話した。
ソン氏は解放された後、悔しさを訴えるために30日、国家人権委員会とソウル地方警察庁に陳情を出し、不法逮捕・名誉毀損などの疑惑で検察に告訴状も提出した。ソン氏は「最小限の確認さえすれば、犯人でないということを簡単に確認することができた」として「言葉だけで聞いて直接犯罪者に追いやられる状況を体験してみると衝撃がとても大きく怒りが静まらない」と話した。
ホン・ソクチェ記者 forchis@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/428252.html 訳J.S