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12日午前、ソウル駅で市民たちが尹錫悦大統領の談話をテレビで見ている/聯合ニュース

　内乱罪の被疑者である尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が12日、国民向け談話で「非常戒厳宣布権の行使は司法審査の対象にならない統治行為」だとし、自身の刑事的責任を免れようとしたが、法律の専門家たちは事実と異なる主張だと強調した。

　専門家たちはまず、「統治行為」という名目で法的責任を免除されることはできないと指摘した。高等裁判所のある判事は「統治行為とは法律的概念ではなく、『司法審査の対象にならない統治行為』というのは成立できない言葉」だと語った。尹大統領は「大統領の非常戒厳宣布権の行使は、赦免権の行使や外交権の行使と同様に、司法審査の対象にならない統治行為」だと主張したが、この判事は「外交権と赦免権は、法律の中で定める基準さえ満たせば、幅広く裁量が認められているが、戒厳は憲法がその要件を明確に規定している」と指摘した。

　尹大統領は「非常戒厳措置は高度な政治的判断であり、国会の解除要求だけで統制できる」とし、「これが司法府の判例と憲法学界の多数意見」だと主張した。前日に与党「国民の力」のユン・サンヒョン議員は国会本会議の対政府質問で、「中央大学法科大学院のイ・インホ教授の主張によると、大統領がたとえ職務判断において違憲行為をしたとしても、大統領を処罰できないと規定している」として尹大統領を擁護した。ところが、延世大学法科大学院のイ・ジョンス教授は「憲法学者の圧倒的多数は法治主義下でのすべての国家作用は司法的審査の対象になるとみている」とし、「違憲行為であっても大統領は処罰されないということは成立しない。憲法第84条では、在職中であっても大統領が（内乱罪の）刑事訴追の対象になることを明確に規定している」と強調した。尹大統領の主張は「内乱首謀者」全斗煥（チョン・ドゥファン）氏の抗弁と軌を一にしている。全氏は法廷で「非常戒厳の拡大は統治行為であるため、司法審査の対象ではない」と主張したが、最高裁は「非常戒厳の宣布や拡大が国憲紊乱（ぶんらん）の目的を達成するために行われた場合には、裁判所はそれ自体が犯罪行為に当たるかどうかについて審査できる」と判示した。

　西江大学法科大学院のイム・ジボン教授は「憲法裁判所は、国民の基本権侵害と直接関連を持つ行為ならば、司法府が審判できると明確に判例の基準を示している。これが多数説であり、判例だ」とし、「非常戒厳の宣布は言論・出版・集会・結社の自由、身体の自由など基本権の侵害をもたらす行為であることが明らかだ」と説明した。憲法裁判所は1996年、金融実名制緊急命令をめぐる違憲確認訴訟で、「いわゆる統治行為を含め、すべての国家作用は国民の基本権的価値を実現するための手段という限界を必ず守らなければならない」とし、「この事件の緊急命令は統治行為なので憲法裁判の対象にはならない、という主張は認められない」と判示した。

　尹大統領はまた、「憲法の枠内で大統領の権限を行使した」とし、非常戒厳宣布が合憲だと主張したうえで、「国を救おうとする非常措置を、国を滅ぼそうとする内乱行為とみなすのは、憲法と法体系を深刻な危険に陥れること」だとと述べた。自身を「内乱逆徒」と批判するのは「国家的危機」という話だ。これに対し、憲法裁判研究院長を務めた亜洲大学法科大学院のイ・ホンファン教授は、「憲法の枠組みになかった違憲・違法な権限行使を指摘することが、なぜ危険な行為なのか」と問い返し、「（尹大統領は）国会の無力化を図り、真っ向から憲法に反する行為をしており、これは非常戒厳で正当化されるようなものではない」と批判した。高等裁判所の判事も「全斗煥元大統領と同じ論理を展開し、違法に戒厳を宣布した行為が国を危険に陥れた」と強調した。

　民弁の尹錫悦退陣特別委員会も同日に論評を発表し、「統治行為が司法審査の対象から排除されるという主張は、もはや現代の憲法秩序で正当性を持たない非常に古い論理」だとしたうえで、「最高裁と憲法裁判所はすでに統治行為について数えきれないほど司法審査を行っており、かなり以前から確立された判例だ。朴正煕（パク・チョンヒ）時代の維新の亡霊に捕らわれ、すでに廃棄された判決を持ち出して内乱を持続・扇動する尹錫悦は一体どの時代を生きているのか」と批判した。