本文に移動

「日本、1万円札に植民地収奪の象徴を使うとは…」韓国の光復会が撤回要求

登録:2024-07-03 00:32 修正:2024-07-03 06:57
日本政府のウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期に日本の銀行を朝鮮に進出させ、植民地政策を主導した渋沢栄一(1840~1931)の顔が日本の新紙幣に使われることについて、韓国の独立運動家と子孫・遺族の団体「光復会」は強い遺憾を表明し、直ちに撤回するよう求めた。

 光復会は1日の声明で、「日帝の侵奪の張本人を貨幣の人物とする決定は、植民地支配を正当化することを狙った欺瞞(ぎまん)的行為」だとしつつ、このように述べた。

 光復会は、「渋沢栄一は我が民族からの経済的収奪の先兵役を果たした第一銀行の所有者で、鉄道を敷設して韓国の資本を収奪し、利権侵奪のために第一銀行の紙幣発行を主導しつつ、貨幣に自身の肖像画を描き入れ、我々に恥辱を抱かせた張本人」だと指摘した。

 さらに「帝国主義時代の植民地収奪の象徴的な人物を国際的に通用する日本の公式の貨幣に使うことは、韓日関係を改善しようとしている韓国政府の努力にも冷や水を浴びせる行為」だとし、「特に来年の韓日国交正常化60年を前に関係正常化を望む両国の関係にも役立たない行い」だと述べた。

 そして「過去の誤った行為を反省するどころか、帝国主義の蛮行を連想させる人物を使う日本政府の本音はいかなるものか」とし、「本当に韓国との関係改善と友好増進を尊重するのなら、問題の人物の貨幣への使用を直ちに中止するよう願う」と述べた。

 日本では3日に、20年ぶりに新紙幣が発行されるが、新1万円紙幣には実業家の渋沢栄一の肖像画が使用される。日本ではパリ万博を見学し、500社あまりの会社を設立したことから「資本主義の父」と呼ばれる人物だが、日帝強占期に日本の銀行を朝鮮に進出させ、植民地政策を主導した人物のひとりだとの批判を浴びている。

 渋沢が設立した第一銀行は、日本が朝鮮半島に対する影響力を拡大しはじめる1878年に、釜山(プサン)に支店を設立した。その後、金融・貨幣分野で日本政府の代理人役を果たし、朝鮮内で様々な特権を獲得した。特に1905年に、朝鮮の国庫金の取り扱い▽貨幣整理事業▽第一銀行券公認の「3大特権」を得てからは、事実上朝鮮の中央銀行同然の地位を確保した。渋沢は晩年、早くから朝鮮に進出した理由について「日本が朝鮮を失うことになれば、国力を維持することは困難だと判断したため」だと述べている。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1147268.html韓国語原文入力:2024-07-01 18:31
訳D.K

関連記事