北朝鮮が1日未明、弾道ミサイル2発を黄海道内陸から東北方向に発射した。韓国合同参謀本部が発表した。そのうち1発は異常飛行し、爆発した残骸が平壌(ピョンヤン)付近に落ちた可能性もあるとみられている。
合同参謀本部は「黄海南道の長淵(チャンヨン)一帯で、同日午前5時5分ごろと午前5時15分ごろ、東北方向に弾道ミサイル2発が発射されたことを把握した」と明らかにした。さらに「午前5時5分頃に発射された北朝鮮の短距離弾道ミサイルは約600キロメートル飛行し、午前5時15分頃に発射された弾道ミサイルは約120キロメートル飛行した」と説明した。北朝鮮は5日前の先月26日にも弾道ミサイルを発射した。
韓国軍当局は同日発射された弾道ミサイル2発はいずれも北朝鮮が「地対地戦術弾道ミサイル」と呼ぶ短距離弾道ミサイルである火星11型(KN-23)と推定している。北朝鮮が同じ場所で同じ発射プラットフォームを使って2発のミサイルを10分間隔で発射したことから、互いに異なる種類のミサイルの発射実験を行った可能性は低く、飛行距離の短い1発は発射に失敗したものと推定される。
合同参謀本部は、北朝鮮の弾道ミサイル2発のうち、最初に発射したミサイルは約600キロ飛行し、咸鏡北道清津(チョンジン)沖合に落下したが、約120キロメートル飛行したミサイルは異常飛行した可能性があると述べた。
合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長は、国防部の定例記者会見で、「異常飛行中に爆発したのなら、残骸が内陸に落ちた可能性もある」と述べた。北朝鮮がミサイルを発射した長淵から東北方向に120キロメートル地点は平壌の東側なので、このミサイルが平壌付近に墜落した可能性もある。イ室長は「ミサイルは空中爆発したのか」「具体的に内陸のどこに落ちたのか」「民間の被害は発生したのか」などを尋ねる質問には答えなかった。
イ室長は今回の北朝鮮ミサイル発射の背景について、韓米日初の多領域訓練「フリーダムエッジ」(6月27~29日)に反発した弾道ミサイル発射実験である可能性もあると述べた。大統領室は同日午前、イン・ソンファン国家安保室第2次長が安全保障状況点検会議を開き、対応態勢を点検した。