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5分距離‘リットル当たり 356ウォン’高いガソリン、なぜ?

原文入力:2010-05-09午後07:39:12(2555字)
立地の良い国会前 全国最高額 ガソリンスタンド 場所取り
富裕層狙い 自社マイレージに無料スチーム洗車も
最低価‘無ポール’はサービスなくし価格競争力持たせる

イ・テヒ記者

←ガソリンスタンド運営収入および費用構造. jonggeel@hani.co.kr

ガソリンスタンド業界ではソウルで最も有名なガソリンスタンドとして3ヶ所を挙げる。先ずは汝矣島国会正面の(株)キョンイル ガソリンスタンドがある。SKエナジーの看板(ポールサイン)を付けているこのガソリンスタンドは全国で価格が最も高い。9日現在のガソリンl当たり価格は2042ウォンだ。ここから車でたかだか5分も行けば、ソウルでガソリン価格が最も安い(株)江西ガソリンスタンドに行ける。ここではl当たり1686ウォンでガソリンを入れることができる。2ヶ所とも永登浦区にあるが、価格差はl当たり何と356ウォンにもなる。3番目に有名なガソリンスタンドは広津区にある(株)ヌンドン ガソリンスタンドだ。君子橋から千戸大橋に至る千戸大路区間はソウルでもガソリンスタンド間の価格競争が最も激しいところだが、この一帯の価格を意のままにしている。このガソリンスタンドたちを調べれば互いに店ごとに異なるガソリン価格の秘密が見える。

■高い理由vs. 安い秘訣
国会前のキョンイル ガソリンスタンドは断然 立地が最高だ。外出と長距離走行が頻繁な国会議員車両が立ち寄る最も良い場所にある。このガソリンスタンド関係者は 「賃貸料が高いのでガソリン価格を高くせざるを得ない」と語る。賃貸料だけでなく国会議員たちを狙った戦略も見逃せない。国会議員たちは車両油類費として毎月95万ウォンずつを受け取る。このガソリンスタンドは価格に鈍感な国会議員たちの特性を十分に利用している。8万ウォン分の油を入れれば高級スチーム洗車を無料で行う。また、多様な商品を買うことができる独自マイレージを与える。ソウル、瑞草・江南圏の相当数のガソリンスタンドがこういう戦略を使っている。オイル価格に鈍感な代わりにサービスには敏感な富裕層顧客や‘○○様’の車を運転する運転手たちを狙った戦略だ。

←5分距離‘l当たり356ウォン’高いガソリン、なぜ?

これに反し、江西ガソリンスタンドの秘密は‘無ポール’だ。 特定精油会社の専用看板(ポールサイン)を掲げずに、その時その時に最も安い精油会社の油を仕入れて使う。4月最終週基準でSKエナジーのガソリン供給価格がl当たり1601.02ウォンだった。GSカルテックスの価格(1632.92ウォン)とは30ウォン以上の違いが生じた。公正取引委員会の調査によれば、半径1km以内にいわゆる‘無ポール ガソリンスタンド’がある場合、他所よりガソリン価格が40ウォンほど安い。江西ガソリンスタンドと価格競争を行う道林洞・新吉洞一帯の8ヶガソリンスタンド中、4ヶが無ポール ガソリンスタンドだ。

千戸大路のヌンドン ガソリンスタンド(S-オイル)は‘薄利多売’戦略を使う。業界ではヌンドン ガソリンスタンドの一日販売量が普通のガソリンスタンドの月間販売量とほとんど同じと口をそろえる。ガソリンスタンド業界は全国ガソリンスタンドの一週間平均販売量を200リットル ドラム基準で150~200ドラム程度と推算している。

■ガソリンスタンドはどれくらい儲けているだろうか?
それではガソリンスタンドは通常どのくらい儲けているだろうか。一週間に200ドラムを売る‘油王’ガソリンスタンドの場合を仮定してみよう。大量販売するガソリンスタンドは精油会社と直取引だが、通常のガソリンスタンドは代理店を通じてガソリンを仕入れる。5月のガソリンスタンド平均ガソリン販売価格はl当たり1720ウォン水準だが、精油会社供給価格は4月最終週基準で1615.59ウォンを記録した。この価格は代理店を経て普通20~20.5ウォン上がる。代理店価格を1640ウォンと捉えるならば、1720ウォンで販売したガソリンスタンドにはl当たり80ウォン残る。1ドラムを売れば1万6000ウォンが残るわけだ。油王ガソリンスタンドの月間収入は概略(週当り200ドラム×マージン1万6千ウォン)×4.5週=1440万ウォンになるわけだ。これはガソリンを基準に推算したもので、軽油と灯油(室内・ボイラー用)販売収入は別途である。チョン・サンピル韓国ガソリンスタンド協会チーム長は「ガソリンスタンドの正常運営が可能なマージンの最低線をドラム当たり2万ウォンと見るが、政府がOPNET(油価情報システム)を通じて価格体系を全て公開し価格競争を促進してから1万ウォン台に下がった」と話した。

費用項目をまとめてみよう。業界では人件費として概略1000万ウォン(所長)250万ウォン、主任200万ウォン、夜間総務150万ウォン、アルバイト給油員1人当り120万ウォン)がかかると見ている。その他、カード手数料とティッシュやミネラルウォーターなどの注油ギフト、そして精油会社マイレージ(または、独自マイレージ)が費用として追加される。価格をより一層下げようとすれば給油員数を減らし、洗車場をなくし、ギフトとマイレージをなくさなければならない。公取委によれば洗車場のないガソリンスタンドのガソリン価格はl当たり9ウォン安い。

ガソリンスタンド間の競争が激しくなった結果、ガソリンスタンドが売り物に出されるケースも数多い。ガソリンスタンド専門ディーラー チェ・セハ(公認仲介士)氏は「ソウルの場合、現在10ヶ所余りが売り物に出ていて、全国的には800ヶ所を越える売り物がある」とし「ソウルの場合、50億~150億ウォンを越える高価だが、利潤が高くないので売買価格がうまく形成されていない」と話した。

イ・テヒ記者 hermes@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/419921.html 訳J.S