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尹大統領「140分傾聴」専攻医代表「医療に未来はない」…意見の隔たり確認したのみ

登録:2024-04-05 08:48 修正:2024-04-05 12:08
尹大統領と専攻医代表が対面 
大統領室「専攻医の処遇改善について意見交換」 
パク・タン非対委員長「韓国医療に未来はない」
2月20日、ソウル龍山区の大韓医師協会会館で行われた大韓専攻医協議会の緊急臨時代議員総会に、大韓専攻医協議会のパク・タン非対委員長と医協のキム・テグ非常対策委員長が出席している/聯合ニュース

 「大韓民国の医療に未来はありません」。4日夜、大韓専攻医協議会(大専協)のパク・タン非常対策委員長が、専攻医による集団行動の開始から45日たって初めて尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と会談した後に示した最初の反応だ。医学部の定員拡大に反発して医療現場を離脱した専攻医の団体の代表が大統領とテーブルをはさんで向き合ったものの、互いの意見の隔たりは埋められなかったと解釈される。7週目に入った医政対立は、簡単には解決できないとみられる。

 大統領室は4日、尹大統領が同日午後2時からソウル龍山区(ヨンサング)の大統領室でパク委員長と140分間にわたって話し合ったと明らかにした。面談後に双方が示した反応には明確な温度差があった。大統領室は面談の経過について「大統領は今後、医師の増員を含む医療改革に関して医療界と議論する際、専攻医の立場を尊重することにした」と述べた。しかしパク委員長はSNSに「韓国医療に未来はない」と投稿した。

 パク委員長は、2月19日の専攻医の辞表提出開始後の政府の交渉要請に沈黙してきた。しかし今月2日に尹大統領が自ら対話を提案すると、これを受け入れ、集団行動開始から45日目にして対面が突如実現した。パク委員長はこの日の面談前に大専協の代議員に送った告知で、「現在の事態は(医学部増員を指示した)大統領の意志で始まったと考えている」とし、「4月10日の総選挙前に一度くらいは専攻医の立場を直に伝え、解決を試みる価値はあると判断した」と語った。

 対面前から立場の隔たりは大きかった。大専協の非常対策委員会は面談前の公示で、「7週間ずっと述べ続けてきたように、要求案の受け入れが不可能なら、これまでのやり方でやれば済むこと」と述べた。大専協は2月に「医学部増員計画の白紙撤回」などの7つの要求案を示している。政府も、「対話」を強調しつつも、増員した2千人の医学部定員の各大学への配分をすでに発表している中、受験生の混乱などを理由にあげ、再調整は容易ではないとの立場だった。面談後の相反する反応も、両者の立場の隔たりが非常に大きかったことを示唆する。大統領室はまた、面談後に「医学部定員の増員規模を600人に調整する可能性を示唆したというのは、まったく事実ではない」と公示している。

 さらに、劇的な妥協が実現したとしても、専攻医が復帰できるかどうかも不透明だ。専攻医たちは集団行動による法的責任を免れるために各自が辞表を提出している。彼らが大専協の決定に従わない可能性もあるということだ。内部での反発もある。辞表を提出した専攻医のリュ・オク・ハダさんはこの日、「尹大統領とパク委員長との面談は、パク・タン非対委と(執行部などの)11人の独断的な密室での決定だ。若い医師の意見は聞かれていない」と批判した。首都圏のある大学病院の専攻医のAさんは、「専攻医はパク委員長に代表性があるとは考えていない」と述べた。首都圏の大学病院の別の専攻医のBさんも、「(パク委員長と政府が)合意したとしても、各専攻医で利害が異なるし、それを受け入れるかどうかは分からない」と話した。

 医療界は失望したとの反応を示す。全国医学部教授協議会のキム・チャンス会長は、「事態解決の端緒になることを願ったが、互いに立場の隔たりを確認しただけで終わったとみられる」と述べた。大韓医師協会非常対策委員会のキム・ソングン報道宣伝委員長は、「意味のない面談なら、(交渉は)さらに行き詰まるだろう」と述べた。

チョン・ホソン、キム・ユンジュ、ソン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1135316.html韓国語原文入力:2024-04-04 18:57
訳D.K

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