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韓国、5大病院の教授らの辞表提出に突き進んだ政医対立…与党「増員規模の再議論を」

登録:2024-03-28 06:09 修正:2024-04-01 11:54
韓国政府「2000人増員の決定は変わらず」 
医協「増員撤回が対話の条件」 
与党代表、有力議員「規模の再議論」を示唆
24日、ソウル市内のある大学病院で医療スタッフが移動している/聯合ニュース

 「医学部定員増員」で対立している韓国政府と医師団体が対話の接点を見出せずにいる。対話の前提条件として政府は「2千人増員」を、医師団体は「増員の撤回」を互いに要求しているためだ。与党内では、政府に「建設的対話」を注文するとともに、医学部増員の規模を再議論しようという意見も出てきた。

 大統領室高官は27日、記者団に「現在2千人に対してはすでに(医学部のある大学ごとの)定員配分が完了している状況」だとし、「そのような意味で(医療界に)前提条件なしにもう一度対話に出てほしい」と語った。この日、医師集団行動中央災害安全対策本部の会議を開いたイ・サンミン行政安全部長官は「医学部定員拡大は医療正常化を始める必要条件」だとし、政府の立場を再確認した。保健福祉部のパク・ミンス第2次官も中央災害安全対策本部のブリーフィングで、「あらゆる議題について協議できる」としながらも、「政府は2千人増員という意思決定については確固たる考えを持っており、その考えに変わりはない」と述べた。

 大韓医師協会の非常対策委員会(医協非対委)は同日のブリーフィングで、増員の撤回が対話の前提条件だとして政府に対抗した。医協のキム・テグ非対委員長は「現在の事態を解決するためには、専攻医が早く復帰できる案を政府が講じなければならない。尹錫悦(ユン・ソクヨル) 大統領が直接利害当事者である専攻医らに会い、現在の状況を打開するための協議を進めてほしい」と述べた。医協非対委のキム・ソングン副報道担当は、「結局は(大統領に)解決してほしいということだ」とし、「(増員)決定を撤回してほしいということであり、そのような条件のもとでのみ、私たち(医協)は対話できる」と語った。

 政府と医療界が一歩も引かず対立している状況に対し、与党「国民の力」では「増員規模について再議論」しようという声が相次いであがった。前日、同党のハン・ドンフン非常対策委員長は「議題を制限せず、建設的な対話をして良い結論を導くべきだと考えている」と述べた。さらに、同党のアン・チョルス共同選挙対策委員長はこの日「SBS」のラジオ番組に出演し、「(政府の2千人増員は)絶対的な聖域ではない。何の根拠もない」とし、「(増員規模)4千人も2千人も、私が思うにはどんぶり勘定だ」と語った。それと共に「医学部増員について適切な数字を再議論しよう」と呼びかけた。

 医師団体の増員撤回要求はさらに強まるものとみられる。26日午後、新医協会長として最も強硬派として知られた大韓小児青少年科医師会のイム・ヒョンテク会長が選ばれた。イム氏は同日、ハンギョレに「2千人は絶対に変わらないというのが果たして対話をしようとする姿勢なのか疑念を抱かせる」と語った。さらに「むしろ医学部定員を500~1千人削減しなければならない」とし、「定員削減と福祉部長官・次官の罷免、大統領の謝罪などが対話の前提条件」だと話した。

 一方、政府の専攻医制裁などに反発した医学部教授らの辞表提出も続いている。ソウル聖母病院が付属病院であるカトリック大学医学部教授協議会は28日、辞表を出すことを決めた。これにより、ソウルの主要5大病院の医学部教授が全員集団辞職に参加することになった。

キム・ユンジュ、ソン・ジミン、イ・スンジュン、シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1134154.html韓国語原文入力: 2024-03-27 23:48
訳H.J

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