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‘先端防除’叫んでいたが…工事現場には‘汚濁防止膜’だけ

原文入力:2010-04-06午前08:28:42(1746字)
水質汚染防除センター のんびり
スタート7ヵ月目に装備導入遅れ 航空監視団も飛ばず
土砂流出 相次ぐ…梅雨・台風くれば大乱 予告

ナム・ジョンヨン記者

←‘4大河川事業’で康川堰を建設中の京畿驪州の南漢江が5日午前、仮防水堰を境に泥水(右側)と澄んだ水に分かれ克明に対比されている。 驪州/キム・ミョンジン記者littleprince@hani.co.kr

今年末までに工程率60%達成を目標に工事中の‘4大河川再生事業’過程で、発生が懸念される大規模水質汚染事故に対する緊急対応体系が不足しており、これを憂慮する声が大きくなっている。

4大河川水質汚染防除対策のコントロールタワーは韓国環境公団内に設置された水質汚染防除センターだ。政府は昨年‘4大河川再生合同報告大会’と‘4大河川再生マスタープラン’でこのセンターの運営計画を大々的に広報した。水質汚染防除センターは△水質遠隔監視体系(TMS) 600ヶ所△河川水質汚染情報測定網77ヶ所△航空監視団660km監視等を通じ、汚染事故を観測した後には水陸両用の空気浮揚艇など先端防除装備を動員し緊急対応すると明らかにした。

だが昨年10月に出帆式を行った水質汚染防除センターは当初計画とは違い、関連組織が縮小運営されており装備の導入も遅れるなど防除準備速度が工事速度について行けずにいる。防除船舶と空気浮揚艇など関連装備の導入が遅れ、水質汚染防除情報システムのモニタリングは工事が真っ最中の去る3月以後に開通した。昨年末‘国民との対話’で李明博大統領が野心満々で見せた‘ロボット魚’さえ今年の政府予算案から抜け落ちた。

また航空機8機を配置し錦江を除く3大河川流域で航空水質監視をするという航空監視団も去る3月に関連業者と契約を終えるなど、今年まだ一度も監視飛行をしていない。環境部関係者は「1997年から航空監視団を運営し、慣行的に1~3月は契約準備期間なので水質監視をしなかった」と説明した。

しかし水質汚染防除センターが自らの役割を出来ない間に大小の水質汚染事故が報告されている。特に施工業者が工事現場周辺に汚濁防止膜を設置したが、集中豪雨や強風が発生すれば流されて泥水に変わると環境団体は主張する。

浚渫船の油流出事故は飲料水源に莫大な被害をもたらしかねず、より一層深刻だ。環境部資料によれば油流出事故は2008年20件など毎年10~30件発生している。イ・チョルジェ環境運動連合代案政策局長は「2007年に北漢江上流で浚渫船が沈没し、油が取水源に流入するところだった」として「4大河川工事の時、これに対する緊急対応システムが稼動しなければ飲料水汚染事態が広がるだろう」と話した。

さらに今年は台風の威力が強くなり頻繁になると予想されており、大規模水質汚染事故の可能性は大きくなった状態だ。5日済州国家台風センターで開かれた‘2010年台風防災対策会議’でキム・クァンニョル ソウル大教授(地球環境工学部)は今年の台風は2000~2009年より3ヶ多い年平均27ヶ,秒速33メートル以上の強い台風は4ヶ多い18ヶに達すると予想した。台風活動期間も過去10年より51%長い227日と予想されている。

事情がこうであるにも関わらず、政府は来年の梅雨期前までに構造物工事完了を目標に工事だけを急いでいるのが実情だ。工事が一度に多くなされるほど浚渫船と浚渫量は増え、そうなればあちこちで土砂流出事故の頻度や浚渫船油流出などの可能性はより一層大きくなる。

国会環境労働委員会のホン・ヒドク(民主労働党)議員は「政府は水質汚染防除センターを通じて水質汚染事故に対して緊急対応すると国民と約束したが、それすら守っていない」として「これに対する対策がない4大河川工事は直ちに中止しなければならない」と主張した。

ナム・ジョンヨン記者 fandg@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/414531.html 訳J.S