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再び前倒しされた事故時刻…何を隠しているのか

原文入力:2010-04-02午前12:36:55(2090字)
軍 "夜9時22分発生" …1週間に3回 変える
行ったり来たりの説明で‘実体隠蔽’疑惑 膨らむ
海上警察・生存将兵に緘口令, 情報統制 強化

クォン・ヒョクチョル記者,キム・キソン記者

←国防部が1日午後、追加公開した熱像監視装備(TOD)撮影動画に出てくる天安艦の沈没当時の姿。船体がすでに真っ二つになり、船首の部分(写真の左端)が水中に沈んでいる。船尾は沈んでおり見えない。切断された面(写真右側)が鮮明にノコギリの刃状に見えており、船はすでに横に90度傾いている。写真前面に見える部分が船底だ。 国防部提供画面キャプチャー

国防部が公式説明した天安艦沈没事故発生時刻が1週間に3度も前倒しされた。事故発生時刻のような基礎的な事実関係に対する公式発表さえ行ったり来たりし、天安艦生存者に対する言論接近を源泉封鎖したたために国防部が意識的に事件の実体を隠しているのではないかという批判が根強い。

国防部は1日午後に発表した‘天安艦沈没に関連する国防部の立場’で「天安艦事故発生時刻を3月26日夜9時22分頃と判断している」と明らかにした。イ・ギシク合同参謀本部情報作戦処長は、韓国地質資源研究院で天安艦沈没当時に測定した地震波発生時刻(夜9時21分58秒)をこういう判断の最も重要な根拠と見なしたと明らかにした。国防部はこれと共に天安艦沈没以後の場面を捉えたペクリョン島海兵隊警戒所の熱像監視装備(TOD)に録画が始まった時刻(夜9時26分27秒)もこの日新たに公開した。

この日、国防部が事故発生時刻を夜9時22分に訂正したことにより、事故発生K時刻が1週間の間に3度にわたり23分程前倒しされた。把握に時間がかからざるを得ない事故原因ではない事故発生時刻についてもこのように一進一退したことについて、軍が情報隠しに汲々としているという批判が強い。これに対し国防部は「軍は最初,中間,最終報告の手続きがあり、最初の報告は正確性よりは迅速性を重んじ誤差があった」と説明した。さらに、すでに天安艦失踪者チャ・キュンソク(21)下士がガールフレンド キム・某氏と携帯電話で文字メッセージをやりとりしており夜9時16分頃に突然中断(<ハンギョレ> 3月30日付1・3面)した事実が確認されており、この時に天安艦に重大状況が発生したのではないかという疑惑が提起された状態だ。

沈没初期場面が撮影されたTOD動画が公開されたものの、依然として解明されていない部分がある。地震波は天安艦が沈没する時に発生した振動が地震計に記録されたものだ。イ・ヒイル地質研国土地質研究本部長は「当時、地震波が感知されたということが確認できるだけで、その原因が艦艇が暗礁にあたったためなのか内部爆発や外部爆発によったものかは分からない」と話した。

天安艦でなぜ爆発があったのか、爆発以前に天安艦内外でどんなことがあったのかは相変らず謎だ。

国防部がこの日明らかにした事故時刻は状況発生後、海軍2艦隊司令部側と交信し天安艦救助作業を主導した海洋警察庁側の説明と比較しても釈然としない弱点が多い。海上警察が去る28日に初めて出した報道資料には「去る26日21時15分頃、ペクリョン島西南方1.2海里で海軍哨戒艦(天安艦)が原因未詳の事故で沈没した」と指摘されている。海上警察は後ほど最初の事故発生時刻を‘9時15分’と指摘した理由について 「軍と協議しなかった状態で錯誤があった」という言葉だけを繰り返した。だが救助作業に参加した501号艦のコ・ヨンジェ(55)艦長の記者会見(去る30日)以後、当時救助作業に参加した人々に言論接触をするなという‘緘口令’が下された。
天安艦生存者たちが入院した京畿道城南市の国軍首都病院の‘情報統制’も異例的に徹底している。通常、軍で大きな事故があった場合、病院側は将兵の負傷状態などを説明してきた。

その上、ほとんど負傷していない将兵まで面会室に出てこないようにし、家族たちの病室面会だけを許している。特に入院した将兵の大部分は事故状況を尋ねる家族たちに口を合わせたように‘よく思い出せない’とだけ答えている。ある負傷者の父親は「面会申請の後、2回も身分確認を要求され、息子が誰かと面談をしているところだとして1時間以上待たされもした」と話した。

軍が事故時刻とそれ以前の天安艦の状況を明らかにすることができる交信日誌を公開せずにいることも疑惑を大きくしている。軍は「敏感な北方境界線付近での無線通信日誌が公開されれば、作戦のすべての内容が明らかになる」というが、政界などでは国会議員など国民の代表に対する制限的公開を要求している。

クォン・ヒョクチョル,キム・キソン記者 nura@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/413796.html 訳J.S